【カスタムイベント不要】ツールをかけ合わせて進める、今日から使えるサイト分析の基本

GA4のカスタムイベントやClarityのカスタムタグを使わずに、効果的なサイト分析を行う方法を解説します。GA4、Looker Studio、Clarity、そしてAmethystを組み合わせ、流入経路からページ遷移まで分析する実践的な手法をご紹介します。

こんにちは! JADEの松尾(@Matsuo5naoki)です。この記事は JADE Advent Calendar 9日目の記事となります。

JADEではWeb広告運用を中心としながら、Google Analytics 4やMicrosoft Clarityを活用したサイト分析も行い、お客様を支援しています。

今回の記事では、GA4のカスタムイベントやMicrosoft Clarityのカスタムタグを”使わない”サイト分析の方法について解説できればと思います。

というのも実は先日、a2i(アナリティクスアソシエーション)のセミナーにて「Microsoft Clarity×GA4横断分析で実現するサイト改善」というテーマでお話しさせていただきました。

セミナー概要にもある通りですが、Google Analytics 4のカスタムイベントとMicrosoft Clarityのカスタムタグを活用して、定量と定性の観点から深く分析するというものです。

セミナー自体もご好評いただき、GA4×Clarityの活用に悩んでいた方のお役に立てたのかなと思っています。

ただ、分析を行うすべてのケースで、カスタムイベントやカスタムタグを活用するということは現実的ではないと考えています。それは大きく、以下2点の理由からです。

  • リソースの問題:すべてのページにカスタムイベント・カスタムタグを設定しようとすると、設定だけでかなり時間がかかってしまう
  • 時間の制約:急遽リリースされたページ、もしくはすぐにデータを見たい場合などには、カスタムイベントの設定が間に合わないケースがある。カスタムイベントの設計・設置から、データが溜まって分析するまでにはある程度の時間が必要

となれば、日々の業務の中ではカスタムイベントやカスタムタグを使わない分析も必要となるかと思います。あくまで分析手法も、目的や状況に応じた使い分けが必要です。

そこで、カスタムイベントを使わない分析手法について解説していければと思います。

カスタムイベントやカスタムタグを使わなければ示唆を得られないというわけではありません。さまざまなツールを組み合わせることによって、改善のアクションに繋がる分析をすることはできます。

今回の記事は、GA4を使い始めた方や、カスタムイベントの設計・実装に課題を感じている方、またランディングページの分析を定量的に行う方法に悩んでいる広告運用者の方向けに書いています。分析の手法も実際に僕が業務の中で行っているものです。

どんなツールを使って、どういう軸でページの状況を把握しているか、参考になれば嬉しいです。

分析の大きな流れ

まず分析についてですが、以下の3点を上から順番に確認します。この流れで見ると、原因の切り分けと正確な把握がしやすくなります。

  1. どこから来ているか
  2. ページは見られているか
  3. どこへ遷移したか

たとえば、検索広告をクリックしてサイトに訪れたのか、動画広告からタップしてサイトに訪れたのかでは、ページの見られ方も次のページの遷移先についても全然変わります。

実はページが見られてない原因は、ページの構成ではなく流入経路の問題だったりするケースは少なくありません。

どこから来ているかを確認しないまま、ヒートマップを開いてスクロール率を見たりすると、その要因を読み違えてしまう可能性があります。

「2.ページは見られているか」から「3.どこへ遷移したか」でも、スクロールせずに離脱したのか、最後まで読んで離脱したのかではまるで意味が変わってきます。

そのため、このユーザーが行動を行う時系列順に確認することをお勧めします。

では、それぞれの具体的な方法について詳しく見ていきます。

どこから来ているか

まずは「1.どこから来ているか」についてです。ここではLooker Studioを用いてGA4のデータを分析します。

GA4の標準レポート・探索レポートでも確認可能ですが、日常的に見たいデータであり、可視化にも優れているためLooker Studioを使っています。

まずは分析対象ページがランディングページとなっているセッションを見ます。ランディングページを分析したいページでフィルタリングし、セッションの参照元 / メディアや、セッションのキャンペーンをディメンションとして、セッション数・キーイベント数・キーイベント率などの基本的な指標を確認します。

どこからの流入が多く、どこで(セッションの参照元 / メディア及びセッションのキャンペーンで)キーイベントが発生しているのかをまずは把握します。

日別・月別などのデータも確認し、どのような推移になっているのかを確認します。

ちなみにここで画像として出しているLooker Studioに関しては、弊社の小西が作って公開しているテンプレートと同じであるため、誰でもお使いいただけます、是非。

https://lookerstudio.google.com/reporting/93ff2e7a-caa7-49cb-8a98-3c1e10153e5c/page/p_q2dbuhb6bd

そして次に、直前に見られていたページを確認します。

先ほどはチャネルを軸として「(外部の)どこから来ているか」を確認しましたが、次は「サイト内のどこから来ているか」を確認します。

ここでは「ページパスとスクリーンクラス」と「ページの参照元URL」をディメンションとして、表示回数を指標にして確認します。

ページの参照元URL:参照 URL。ユーザーが対象のページにアクセスする前にアクセスしていた URL で、自社のウェブサイトのドメインまたは他のドメインである可能性があります。

引用:[GA4] アナリティクスのディメンションと指標

対象のページがランディングページとなっている場合は 「google.com 」や 「yahoo.co.jp 」などの検索エンジンのドメインが表示されることが多いですが、サイト内の回遊であれば、一つ前のページURLが表示されます。

これによってユーザーがどのページから訪れているのか、もしくは基本的にサイト外から訪れられているのかを把握することができます。ユーザーがどのような経路でページに到達したかを理解することで、ページの役割に応じたコンテンツを考えやすくなったり、導線の改善を行いやすくなります。

ページは見られているか

次に「2.ページは見られているか」についてです。

まずはざっくりと、Looker Studio(GA4)でエンゲージメント率について確認します。

他のページ(ランディングページ)とのエンゲージメント率の違いを比較し、そのページがしっかり見られているのかを定量的に理解することが目的です。

定量的な状況が把握できたら、次はMicrosoft Clarityのヒートマップ(スクロール、アテンション、クリックヒートマップ)を確認します。

「1. どこから来ているか」を把握しているからこそ、なぜここがよく見られているのか、なぜここがクリックされているのか、などの理由がわかりやすくなります。

また、他のページと比較しながら分析することもおすすめです。

クリックヒートマップで見るポイントとしては特殊なものはなく、CTAがしっかりクリックされているか、また意図しないクリック(デッドクリック)が発生していないかなどを確認します。

またClarityにはセッションレコーディングという個別のユーザー行動を動画で見れる機能がありますが、この段階で時間をかけて見ることは推奨しません。

サイトの使われ方を把握するという目的でいくつか見ることは良いと思いますが、仮説がない状態でなんとなく見て、ここに時間をかけすぎても改善のアクションには繋がりにくいです。

セッションレコーディングを見るときは、今回の分析を行ったうえで、しっかり仮説を持ってから見始めるのがおすすめです。

どこへ遷移したか

そして最後に「3.どこへ遷移したか」についてです。1,2で確認したデータをもとに、ユーザーが意図通りの行動を起こしているかを見て、改善のアクションを立案します。

ここでは弊社が提供している分析ツール「 Amethyst 」を使います。

Amethyst について簡単に説明すると、SEOの分析やモニタリングをより簡単に、より活用しやすくしてくれる分析ツールです。

基本的にはSEOの分析のために使われるツールですが、 Amethyst の機能の1つとして「User Analytics」というものが存在します。

User Analyticsは、GA4のデータを用いて、ユーザーの流入元・ランディングページ・ページ遷移をGA4よりも直感的に分析できる機能です。詳しくは郡山の記事がわかりやすいので、興味がある方はこちらも見てみてください。

blog.ja.dev

ではこのUser Analyticsを使うと何が良いのかというと、SQLの知識を必要とせず、「ランディングページの2ページ目の分析」を行うことができるのです。

実際に見ていただくとこんな感じになります。任意のランディングページを指定したうえで、セッションの2ページ目のURLごとの実績を確認することができるのです。

ランディングページの2ページ目ではどこに遷移しているのか、またどこに遷移した方がCVRが高いのか、というデータです。これを把握することによって、どういった導線をページに置くべきなのか、置かないべきなのかという次の改善アクションにも繋げやすくなります。

また、2ページ目のURLをグルーピングすることもできるのでサイト内の傾向も把握しやすいです。

通常、このランディングページの2ページ目の分析を行うためには、BigQueryへデータをエクスポートして加工することになるため、SQLの知識が必要となります。

しかし Amethyst であれば、通常はSQLの知識が必要となるランディングページの2ページ目の分析も、簡単に行うことができます。特に広告運用を行っている方には、このランディングページの分析は魅力的ではないでしょうか?

Amethyst を使わずに「どこへ遷移したか」を確認するとすれば、GA4の経路データ探索になるかと思います。

特定のランディングページに訪れたユーザーが、次にどのページを訪れているのかを見るのであれば、以下のように設定してデータを確認してみましょう。

Amethyst のように、2ページ目ごとのCVRを確認することはできませんが、想定したようなユーザ行動になっているかどうかを把握して、導線の改善に活かすことはできます。

見れるデータに差はあるものの「ユーザーが意図通りの行動を起こしているか」を確認するという考え方は同じです。

おわりに

いかがでしたでしょうか? Advent Calenderということで、重すぎない、日常的に使いやすいカスタムイベント・カスタムタグを使わない分析手法について解説してみました。

カスタムイベントを使えば深い分析ができますが、全てのシチュエーションに適している分析手法ではないと思います。今回の分析で得た示唆をもとに、さらに深堀りが必要な場合にはカスタムイベントの設計を行う、といった状況に合わせた分析がおすすめです。

もちろんサイトや事業によって見るべき指標は変わりますが、基本的な考え方については同じだと思うので、参考になれば嬉しい限りです。

ここまで読んでくださりありがとうございました!

実は明日のJADE Advent CalendarもClarityに関する内容です。

PdMの川本が、 Amethyst のプロダクト改善のためにエンジニアリングチームで実施した「Clarityを眺める会」についての記事です。

マーケターの方とはまた一味違うClarityの活用方法について知ることができるので、ぜひお楽しみに。