【GA4×AI入門】アナリティクスアドバイザーとMCPサーバー、最初の一歩はどっち?(ウェビナー誌上講義)

GA4分析におけるAI活用として「アナリティクスアドバイザー」と「MCPサーバー」を比較したウェビナーのレポートです。それぞれの特徴と使い分けのポイントをデモを交えて解説しています。

JADEではウェビナー『まずは触ってみよう! MCPサーバーをGA管理画面と比較して理解する』を2月26日に開催しました。本記事は、その内容を要約したレポートです。

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講師を務めたJADEのコンサルタント郡山は、GA4分析を効率化する2つのAI活用法「アナリティクスアドバイザー」と「MCPサーバー」について、デモを交えながら比較解説しました。どちらを選ぶかより、それぞれの限界を知ることが、AI活用を実務に根づかせる第一歩になります。ではセミナーの様子を見ていきましょう。

【もくじ】

 

参加者の現状:知っているが、使えていない

セミナー冒頭、郡山は参加者にアンケートを実施しました。

 

アナリティクスアドバイザーについては、67%が「存在を知らなかった」と回答。日本語設定のGA4プロパティでは利用できないβ版の機能であることを踏まえると、すでに使っている参加者はGA4にかなり習熟した層だと郡山は述べました。

MCPサーバーについては、「言葉は知っているが設定したことはない」が57%、「構築を試みたが途中」が32%。関心はある、でも動けていない——これが多くの参加者の現在地でした。このセミナーはそこに応える内容になったと思います。

 

なぜ今、GA4分析にAI活用が求められるのか

郡山は、AI活用によって変わる業務の例を4つ挙げました。

  • 集計作業の自動化
  • 異常値の一次検知
  • GA4設定の正しさのチェック
  • 分析アプローチの壁打ち

重要なのは時短ではなく、時間の使い方が変わる点です。郡山自身、ミーティング前にMCPへ集計を依頼し、会議後すぐに次のアクションを検討できる状態にしていると語りました。手を動かす時間が減れば、頭を使う時間が増える——それが、AI活用の本質的な価値だと郡山は言います。

 

選択肢1:アナリティクスアドバイザー

アナリティクスアドバイザーは、GA4管理画面に搭載された、GoogleのAIモデル「Gemini」を基盤とするAIエージェントです。特別な設定は不要で、Googleアカウントさえあれば今すぐ使い始められます。ただし、GA4プロパティの言語設定を英語にする必要があります。

デモで見えた実力と限界

デモでは「過去7日間のセッション数とユーザー数を集計して」というシンプルな質問に対し、即座に数値とグラフが返ってきました。GA4のどこを触ればいいか分からない人にとって、これは十分に実用的です。

一方、質問に対して集計結果を示すのではなく「標準レポート機能を使った確認手順」を返すケースもありました。「プロパティ設定に問題はあるか」という監査的な問いも、一部の項目は設定状況を回答できるものの、網羅的なチェックには対応できませんでした。

標準レポートで確認できる範囲の集計は得意ですが、探索レポートレベルの複雑な分析や設定の一括監査には向きません。「サッと数字を確認するアシスタント」として使うのが、現実的な位置づけです。

 

選択肢2:MCPサーバー

続いてはMCPサーバーについて。郡山はMCPサーバーを「USB-Cポートのような存在」と表現しています。普段使っているAIエージェント(ClaudeやGeminiなど)に、GA4用・Search Console用・広告ツール用といった各種「ポート」を追加していくことで、複数のツールをまたいだデータ取得と分析が可能になります。

環境構築には一定のハードルがありますが、一度整えてしまえばできることの幅が大きく変わります。

 

デモ1:プロパティの健康診断

ここからはデモとなりました。Admin APIを活用し、「このプロパティの設定を19項目チェックして」と指示すると、タイムゾーンやデータ保持期間など各設定値を自動で取得・評価。「健全性スコア」を100点満点で算出し、優先的に修正すべき項目トップ3まで提示しました。人の目でひとつずつ確認すれば30分以上かかる作業が、プロンプトひとつで完了します。

アナリティクスアドバイザーが苦手としていた「網羅的な監査」が、ここで初めて実現しました。

 

デモ2:コンテンツパフォーマンス分析

続いては「記事ページごとにキーイベントへの貢献度をスコアリングして」という依頼に対し、セッション数・エンゲージメント時間・スクロール率など複数指標を組み合わせ、各記事を0〜100点で評価。「伸ばすべきページ」「改善すべきページ」の分類と戦略的な提言まで含むレポートを出力しました。「前期比で比較して」と追加するだけで、同じフォーマットの比較レポートも即座に作成できます。

数値を集めるだけでなく、次の一手を一緒に考える「壁打ち相手」になれるのが、MCPサーバーの実質的な強みです。

 

使い分けの整理

郡山は「どちらが優れているかではなく、状況に応じた使い分けが重要」と繰り返しました。以下は整理です。

アナリティクスアドバイザーが向いているシーン

  • 日々の数値をすぐ確認したい
  • 設定なしで今すぐAIを試したい
  • GA4の操作に不慣れな段階

MCPサーバーが向いているシーン

  • 定型レポートの作成を自動化したい
  • GA4設定の定期監査を効率化したい
  • 分析結果をもとに施策を壁打ちしたい
  • GA4以外のツールとデータを連携させたい

まずアナリティクスアドバイザーで日常的にAIと対話する感覚を養い、物足りなさを感じたらMCPサーバーの構築に進む——というアクションでまずは触ってみることを郡山は推奨しました (MCPサーバーの環境構築にじっくり取り組める場合は、ぜひ頑張ってください!と応援しています)。

 

今日からできること

郡山がウェビナーの最後に提示したアクションを紹介します。

STEP1(初級者向け)

GA4の言語設定を英語に変更し、アナリティクスアドバイザーで実際のデータに問いかけてみてください。何ができて何ができないかを体感することが、次のステップへの判断材料になります。

STEP2(中〜上級者向け)

AIに手順を聞きながら、あるいは社内の詳しい人の助けを借りながら、MCP環境のセットアップに挑戦してみてください。郡山自身も、AIに聞きながら実装できたと述べており、エンジニアでなくても取り組める余地はあります。

どちらのツールも、使い始めるまでが一番遠く感じます。まずアナリティクスアドバイザーで一問だけ投げてみる——そこから始めてみてください。

 

■JADEのウェビナーアーカイブ、適宜追加しています

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