【プロンプト付】GA4とClarityのMCPサーバー活用例

GA4とMicrosoft ClarityのMCPサーバーを1ヶ月使い倒した活用例を詳しく解説します。Claude Desktopでのプロパティ設定チェック、異常値検出、データ集計など実践的なプロンプト例をご紹介します。

こんにちは! 株式会社JADEの郡山(@RK_prv)です。

私はGA4のデータ活用、アクセス解析の領域でお客様を支援するコンサルタントとして働いています。

この記事は、JADE Advent Calendar 2025の1日目の記事です。

アドベントカレンダーといえば、「普段の仕事に関連したテーマに沿った記事を社員が日替わりで公開し続ける」という12月の名物のようなイベントのことですね。

今回はGA4とClarityのMCPサーバーを1ヶ月使い倒してみたので、活用例と感想を書いてみます。

【もくじ】

MCPサーバーってなんですか

この記事では技術的なお話や実装に関することを詳細に書くことはないのですが、最初に「MCPサーバーとは何か?」という点だけ簡単にご説明します。

MCPとはModel Context Protocol(モデル・コンテキスト・プロトコル)の略です。

LLM(大規模言語モデル)と外部システム・ツールを接続するためのオープンプロトコルで、2024年11月にAnthropic社によってオープンソース化されたとのことです。

AIアプリケーションと外部のツールやデータとの連携・接続をするためのプロトコル(共通のルールや手順)だと覚えておけば十分だと思います。

MCPという存在・役割を説明する際には「USB-Cポート」「通訳+接続ハブ」などに例えられることが多いようですね。

Claude DesktopでGA4とClarityのデータを見られるようにしてみた

MCPサーバーを使えるAIクライアントは色々ありますが、私はClaude Desktopを選択しました。

Claude Desktopにした理由としては、

  • 非エンジニアでも使いやすいUIである点
  • テキストや集計された数値を処理し、依頼した体裁でアウトプットする精度が良いと感じた点

の2点です。

MCPでいろんな機能拡張をしても、いきなり全部は活用できる自信がなかったため以下の3つのAPIを実行できるMCPを導入しました。

  • Google Analytics Data API(GA4のデータ集計)
  • Google Analytics Admin API(GA4のプロパティから設定を取得)
  • Clarity Data Export API(Microsoft Clarityのデータ取得)

GA4のMCPサーバーの活用例

実際に私が活用したシーンごとにご紹介します。

プロンプトはあくまでサンプルなので、ご参考までに。

GA4プロパティの設定内容を取得し、問題がないかチェック

GA4のAdmin APIを活用し、「設定値を羅列するだけでなく、推奨設定(ベストプラクティス)との差異を自動判定させる」ためのプロンプトを作成しました。

このプロンプトでは、あらかじめ「理想的な設定状態(判定基準)」をAIにインプットすることで、AIがただデータを取ってくるだけでなく、コンサルタントのように「ここは直すべきです」と指摘できるように設計しています。

あなたは「GA4実装・設定監査の最高責任者」です。 Admin API等を通じてアクセス可能なツールをフル活用し、指定されたGA4プロパティの設定状況を全方位から監査してください。 単に設定値を羅列するのではなく、プロフェッショナルな視点で「推奨設定との乖離」や「設定上のリスク(特にPII漏洩)」を指摘するレポートを作成してください。

対象プロパティ

  • GA4プロパティID: [ここにプロパティIDを入力]

監査対象項目リスト(全18項目)

以下の項目について、可能な限り情報を取得してください。

  1. プロパティ詳細(タイムゾーン、通貨、業種)
  2. データストリーム一覧(Web/App)
  3. データ保持期間設定
  4. レポート用識別子
  5. アトリビューション設定(モデル、ルックバックウィンドウ)
  6. Googleシグナル設定
  7. キーイベント(コンバージョン)一覧
  8. オーディエンス一覧
  9. チャネルグループ一覧
  10. BigQueryリンク一覧
  11. Google Adsリンク一覧
  12. カスタムディメンション・指標一覧(クォータ確認含む)
  13. 計算指標一覧
  14. 拡張計測機能の設定状況(各ストリーム)
  15. データ編集設定(メール除外、クエリパラメータ除外 ※各ストリーム)
  16. イベント作成ルール一覧
  17. イベント編集ルール一覧
  18. アノテーション(取得可能な場合)

判定・レビュー基準(ベストプラクティス)

各設定値に対し、以下の基準で【判定】を行ってください。

A. 基盤設定(Fundamental)

  • データ保持期間: 「14ヶ月」になっているか?(2ヶ月はNG)
  • アトリビューション: 「データドリブン」が推奨。ルックバックウィンドウは適切か?
  • 通貨・タイムゾーン: ビジネスの拠点と一致しているか?
  • レポート用識別子: 「ハイブリッド」または「観測」か?(「デバイスベース」になっていないか確認)

B. 計測設定・ストリーム(Data Collection)

  • データ編集(PII対策):
    • メールアドレスの自動除外: ON が強く推奨されます。OFFの場合は「個人情報漏洩リスクあり」と警告してください。
    • URLクエリパラメータの除外: サイトの仕様によりますが、token, session_id, email 等が設定されているか確認してください。
  • 拡張計測機能:
    • ONになっているか?
    • 注意点: 「フォームの操作」は計測トラブルの原因になりやすいため、ONの場合は警告コメントを入れる。
  • Googleシグナル: ONになっているか?
  • イベント作成/編集ルール: 不要なルールや、正規表現の誤りなどリスクがありそうなものはないか?

C. カスタム定義・構成(Configuration)

  • キーイベント: 重要なイベント(purchase, generate_lead等)が設定されているか?
  • カスタムディメンション:
    • 上限(50個)に対して空きはあるか?
    • カーディナリティが高すぎる(user_id等)設定はないか?
  • 計算指標/チャネルグループ: 設定の有無を確認。

D. 連携(Integrations)

  • BigQueryリンク: 設定されているか?(未設定は機会損失として警告)
  • Google Adsリンク: リンクされているか?

出力レポート形式

監査結果を以下の4つのセクションに分け、表形式で出力してください。 問題がある箇所には「⚠️要改善」「ℹ️確認推奨」などのアイコンを付けて目立たせてください。

1. プロパティ基本設定の監査

項目 現在の設定値 判定 レビュー・推奨アクション
データ保持期間 2ヶ月 ⚠️要改善 探索レポートでの遡及期間が短すぎます。14ヶ月へ変更してください。
... ... ... ...

2. データ収集・イベント設定の監査

  • データストリーム: [ストリーム名] (ID: xxx)
  • データ編集設定 (PII対策):
    • メール自動除外: [ON/OFF] (OFFなら⚠️警告)
    • URL除外パラメータ: [設定値 / なし]
  • 拡張計測機能:
  • イベント操作ルール:
    • [作成/編集ルール名]: [条件] → [アクション]

3. カスタム定義と構成の監査

項目 設定数 / 上限 詳細・主な設定項目
カスタムディメンション 12 / 50 login_status, author_id, ...
キーイベント 5個 purchase, contact, ...
... ... ...

4. 外部連携状況

  • BigQuery: [連携ステータス]
  • Google Ads: [連携ステータス]

総評: このプロパティの健全性スコア(100点満点の主観評価)と、最優先で対応すべき「Next Action」を3つ挙げてください。

※まずはツールを使用して、上記リストの情報を順次取得してください。

GA4デモアカウントを対象とした出力結果

Claude Desktopで↑のサンプルプロンプトを投げればプロパティの設定状況を網羅的に確認することができます。

できるだけ多くの項目をまとめて取得したかったので、Admin APIのエンドポイントをMCPサーバーに追加してGA4プロパティの設定を取得する範囲を拡張しています。

一方で、エンドポイントが存在しない、またはAdmin APIでアクセスができない項目は別途確認する必要があります。(クロスドメインやデータフィルタ、セッションのタイムアウト設定など)

各項目の推奨設定について定義し、レビュー方針等も伝えるようにプロンプトを改良すればどの箇所を修正すべきか一目でわかるので嬉しいですね。

GA4の異常値の検出と原因調査

GTM(Googleタグマネージャー)のバージョン公開前後のデータ変化を監査し、「設定ミスによる事故」を早期発見するためのサンプルプロンプトを作成しました。

単に増減をリストアップするだけでなく、「その増減が統計的な誤差なのか、明らかな異常(実装ミス)なのか」を判別し、原因の一次切り分けまでをAIに行わせる構成になっています。

あなたは「Web計測の品質管理(QA)エンジニア」です。私は先日、GTMコンテナのバージョン更新を行いました。この変更により、予期せぬ計測不備(欠損や二重計測など)が発生していないか監査を行う必要があります。以下の手順に従って、GA4プロパティのデータを分析し、異常値の報告と原因調査を行ってください。

対象情報

  • GA4プロパティID: [ここにプロパティIDを入力]
  • GTM公開基準日: [yyyy/mm/dd]

実行プロセス

Step 1: 比較期間の定義とデータ抽出

以下の2つの期間を設定し、それぞれの「イベントごとのイベント数(Event Count)」を取得してください。

  • 検証期間(Post): GTM公開基準日から7日間
  • 基準期間(Pre): GTM公開基準日の前日から遡って7日間(※曜日並びを考慮し、曜日構成が同じになるようにしてください。もし曜日要因が強いサイトであれば、前年同月ではなく直前週と比較してください)

Step 2: 差異の算出とフィルタリング(異常検知)

イベントごとに「昨対比(変化率)」を算出してください。その上で、以下の条件に該当する「要確認イベント」を抽出してください。

  1. 急増: イベント数が前期間比 130%以上 に増加している。
  2. 急減: イベント数が前期間比 70%以下 に減少している。
  3. 消失: 前期間にはあったが、検証期間で 0 になった(最優先アラート)。
  4. 新規: 前期間にはなかったが、検証期間で急に発生した(意図した実装でなければ異常)。

※ただし、ノイズを除去するため、両期間ともにイベント数が「50未満」の小規模イベントは除外してください。

Step 3: 原因の一次深掘り(ドリルダウン)

Step 2で抽出された「要確認イベント」のうち、変化幅が大きいTop 3のイベントについて、以下のディメンションを掛け合わせて内訳を確認し、原因を推測してください。

  • page_location: 特定のページだけで増減しているか?
  • device_category: 特定のデバイス(SP/PC)だけで起きているか?

アウトプット形式

1. 監査サマリ

  • 期間: yyyy/mm/dd - yyyy/mm/dd vs yyyy/mm/dd - yyyy/mm/dd
  • 判定: 【 安全 / 注意 / 危険 】(あなたの所感)

2. 異常検知レポート(表形式)

イベント名 Pre数値 Post数値 変化率 判定 (急増/急減/消失/新規)
(例) purchase 100 0 0% 消失(危険)
(例) click_btn 500 1200 240% 急増

3. 原因調査と考察

  • 上記のTopイベントについての深掘り結果。
  • 例:「click_btnの急増は、主に /campaign/ 以下のページで発生しています。新しいLPでの誤発火の可能性があります」など。

※まずは期間計算とデータ抽出から開始してください。

GTMを公開したら、なんだかGA4の計測がおかしくなってしまったぞ?という事態はそもそも発生しないほうが良いのですが、公開した後気づかぬうちに変なデータが記録されていないかチェックできると安心ですよね。

GTM公開時に、様子を見る期間を設定して後日検証するといったフローまで組めていれば理想的ですが、Claude Desktopに聞いて簡易調査をしてもらうと工数を削減することができます。

GA4のアドホック分析の壁打ち

API制限、サンプリング、コンテキスト不足、ハルシネーションのリスクを前提とした、「分析担当者が最終判断を下すための、高品質な下書きと論点整理」を成果物とするサンプルプロンプトを作成しました。

あなたは「GA4のAPI仕様とデータ分析の落とし穴に精通したシニアデータアナリスト」です。 私はこれから分析方針を決定し、レポートを作成する立場にあります。 私の「分析パートナー」として、以下の要件に基づきデータの抽出・一次分析・そして分析アプローチへの批判的レビューを行ってください。

対象データ

GA4プロパティID: [ここにプロパティIDを入力] • 集計期間: [yyyy/mm/dd] - [yyyy/mm/dd] • 比較期間: [yyyy/mm/dd] - [yyyy/mm/dd] (前期間 または 前年同期)

分析要件 ▼分析の目的や仮説 [例:特定のランディングページ群のCVRが悪化している要因が、モバイルユーザーの直帰にあるのではないか仮説を持っている]

▼集計する主なディメンション・指標 [例:ランディングページ、デバイスカテゴリ / セッション、エンゲージメント率、キーイベント数]

▼キーイベント(CV) [例:generate_lead]

▼補足情報 [例:〇月〇日にサイトリニューアルを行ったため、前後で数値が大きく動いている可能性がある]


実行プロセスと出力構成

以下の4ステップで実行し、各ステップの結果を出力してください。

Step 1: 実現可能性と整合性のレビュー(実行前確認) データ抽出を行う前に、私の指定した「ディメンションと指標の組み合わせ」がGA4 Data APIの仕様(スコープの不一致など)において問題ないか確認してください。 APIではセグメント機能が使えないため、もしフィルタリングが必要な場合は、どのパラメータでフィルタすべきか方針を述べてください。

Step 2: データ抽出と基礎集計(Data Execution) 実際にツールを使用してデータを取得してください。 • 集計期間と比較期間のデータを取得。 • 主要な変化(増加/減少)が見られる箇所を特定。 • 結果をMarkdownのテーブル形式で提示。

Step 3: インサイトの抽出(壁打ち・一次分析) 集計結果から読み取れる客観的な事実(Fact)と、そこから推測できる仮説(Hypothesis)を3点挙げてください。 • 私の元の仮説を支持するデータか、反証するデータか? • 特異値(外れ値)はないか?

Step 4: アナリストへの注意喚起(品質チェック) 私がこのデータを本格的に分析・資料化する際に注意すべき点を指摘してください。 • サンプリングリスク: データ量的にサンプリングが発生していそうか? • コンテキストの欠如: データだけでは説明がつかない、外部要因(季節性、広告出稿など)が影響していそうな箇所はどこか? • データの妥当性: 「論理的にこの数値はおかしい(例:CVRが100%超えなど)」という箇所はないか?


※まずはAPI仕様の確認を行い、問題なければデータ取得を実行してください。

セッションのデフォルトチャネルグループやランディングページごとにセッションを整理して、キーイベントの実績を集計して…

といった、基本的な集計はもちろん、カスタムディメンションやカスタムイベントを使った集計もClaude Desktopで実行することが可能です。

API経由なのでセグメントは利用できませんが、オーディエンスやカスタムイベントが充実していると結構いろんなことができます。

難点としては、

  • 集計するデータの組み合わせに問題がないかレビューする
  • サンプリングが適用されるケースがあるため、実際に自分で集計して付け合わせるといった精査をする
  • Claude Desktopが分析した内容が根拠のない、不適切なものではないか検証する

といった、「分析を実際にする人のチェック」をしなければ実用性が低いという懸念があります。

よって、クイックスタートで集計・簡易分析をさせてみて、自分の分析アプローチの補佐やアイデア出しなどに活用する「壁打ち」の役割が適切ではないかなと思います。

実際に分析をする際には、提案の文脈やプロジェクトの状況などを踏まえて、どのような重要度で施策や分析結果を整理するか考えることがたくさんあります。

Claude Desktopでは、問いかけられた内容のバックグラウンドは把握できませんし、日本語が変なこともあるので出力結果をそのまま資料に使う~という運用はできないなと感じています。

GA4のデータ集計を依頼し、状況把握&課題探索

「集計作業」をClaude Desktopに任せ、「分析と意思決定」に集中するためのサンプルプロンプトを作成しました。

あなたは「データに基づきビジネス課題を発見する敏腕データアナリスト」です。 私は「データを見て戦略を考えるマーケティング責任者」です。 私の時間を「集計」ではなく「思考」に使うため、以下のGA4プロパティのデータを分析し、現状把握と課題の種となるレポートを作成してください。

対象データ

GA4プロパティID: [ここにプロパティIDを入力] • 集計期間: [yyyy/mm/dd] - [yyyy/mm/dd] • 比較期間: [yyyy/mm/dd] - [yyyy/mm/dd] (前月比 または 前年比)

依頼内容:データ集計と洞察

これから問いかける質問に対する回答として適切なデータを抽出し、表形式での集計結果と、データから読み取れる「気づき・仮説」を提示してください。 ※比較期間のデータも取得し、変化率(%)を必ず併記してください。

アウトプット形式への要望

  1. 集計テーブル: 各セクションごとにMarkdownの表で見やすくまとめてください。
  2. アナリストのコメント: • 各集計結果の下に、比較期間との差分で気になった点(例:「モバイルのCVRが前月比で急落している」など)を箇条書きで3点ほど挙げてください。 • 最後に「次に深掘りすべき仮説」を1つ提案してください。

※まずはツールを実行してデータを取得・計算し、その結果に基づいて回答してください。

 

  • Organic SearchセッションでCVRが高いランディングページのTop10を出して
  • 訪問回数別のセッション、generate_lead、CVRを集計して
  • 曜日×時間帯別のセッション数を集計して
  • デバイス別のセッション数、エンゲージメント率、キーイベント数を会員/非会員のログインステータスごとに集計して

といったような、単純な集計結果を代行してもらうのはとても楽です。

自分で探索レポートやLooker Studio、BigQueryでデータを集計すればいい話ではありますが、Claude Desktopで自然言語でぽんぽん雑に聞くだけでどんどん答えてくれます。

最近の状況を把握したいときや、データを探索して仮説を構築するときには、データ集計の作業をスピーディに実行できることで「データ集計にかかる時間 < データを見て考える時間」といった時間配分で取り組むことができます。

※何を聞けばいいかわからなければ、集計する切り口からClaude Desktopに考えてもらうという方法もありますね。(以下はClaude Desktopに出力させたテンプレート)

1. 流入品質の探索(Organic Search × LP)

  • 条件: デフォルトチャネルグループが「Organic Search」のセッション。
  • 出力: コンバージョン率(CVR)が高いランディングページ Top 10。
  • 指標: セッション数、キーイベント数(CV数)、CVR、平均エンゲージメント時間。
  • 注意: セッション数が極端に少ない(例: 20未満)ページは除外してノイズを減らしてください。

2. ロイヤルティの探索(訪問頻度)

  • 条件: 全トラフィック。
  • 出力: ユーザーの訪問回数(セッション数)別の分布。
  • 指標: ユーザー数、generate_lead(または主要CVイベント)、CVR。
  • 目的: 「初回訪問でCVしているのか」「何度も訪問してCVしているのか」の傾向を知りたい。

3. トレンドの探索(ヒートマップ基礎データ)

  • 条件: 全トラフィック。
  • 出力: 「曜日」×「時間帯」別のマトリクスデータ。
  • 指標: セッション数、CV数。
  • 目的: 最も活性化している時間帯、逆に機会損失している時間帯を特定したい。

4. ユーザー属性の探索(デバイス × 会員ステータス)

  • 条件: 全トラフィック。
  • 出力: 「デバイスカテゴリ」と「ログインステータス(※)」の組み合わせ。
    • ※ログインステータスのカスタムディメンションパラメータ名: [custom_dimension_name_here] (例: login_status, user_type など。不明な場合はパラメータ名を探してください)
  • 指標: セッション数、エンゲージメント率、キーイベント数、CVR。
  • 目的: 「スマホの非会員」や「PCの会員」など、セグメントごとのパフォーマンス差を浮き彫りにしたい。

GA4のカスタム設定の設計の壁打ち

GA4のMCPサーバーを活用して、「実際の自社データに基づいた実践的な課題」を作成するサンプルプロンプトです。

あなたは「事業成果にコミットする熟練のGA4アーキテクト」です。 以下の情報を元に、私の壁打ち相手となり、ビジネスゴール達成に必要なGA4のカスタム設定(イベント、ディメンション、セグメント、オーディエンス)を設計・提案してください。

依頼内容

現在のGA4プロパティの設定状況を確認した上で、提供された「事業戦略」と「現状の計測」のギャップを埋めるための追加設定案を具体的に提示してください。

対象データ(ツールで現状確認を行ってください)

  • GA4プロパティID: [ここにプロパティIDを入力]
  • 集計期間: [yyyy/mm/dd] - [yyyy/mm/dd]

前提情報(コンテキスト)

▼対象サイト/事業の概要 [例:中堅規模のアパレルECサイト。20-30代女性がターゲット]

▼事業の戦略・KPI [例:LTVの向上を最優先。初回購入後の2回目購入率を現在の15%から20%へ引き上げたい]

▼Webマーケティングの戦略・戦術 [例:Instagram広告からのLP着地後の回遊性向上。オウンドメディア記事からの商品詳細ページへの送客強化]

▼対象サイトで発生するKPI [例:会員登録、商品購入、お気に入り追加、メルマガ登録]

▼対象サイトを訪問するユーザー層と期待するサイト内の主な行動 [例:比較検討層が多い。レビューを読み込み、サイズガイドを確認し、カートに入れたまま離脱する傾向があるため、そこをリターゲティングしたい]

▼現在のカスタム設定で捉えようとしているユーザー行動/コンテンツ情報 [例:現在は「購入」以外のマイクロコンバージョンがあまり取れていない。スクロール率は取れているが、具体的にどのコンテンツが見られたかが不明]

▼現在GA4で設定している主なカスタム設定と目的 [例:click_cta(特定ボタンのクリック計測のため)]

▼補足情報 [例:GTMは導入済み。データレイヤーの実装もエンジニアに依頼可能]


思考プロセス(実行指示)

  1. 現状分析(ツール実行): 指定されたプロパティにアクセスし、現在計測されているイベント名やカスタムディメンションの登録状況を確認してください。
  2. ギャップ分析: 「事業戦略・KPI」と「現状の計測環境」を比較し、**「意思決定に必要なのに足りていないデータは何か?」**を特定してください。
  3. 設計提案: そのギャップを埋めるために必要なカスタム設定を考案してください。

出力フォーマット

各カテゴリについて、以下の表形式で提案してください。 実装の優先度が高い順に各3〜5個程度提案してください。

1. 【カスタムイベント】の提案

ユーザーの能動的なアクションや、UX上の摩擦を計測するためのイベント案。

イベント名 (案) トリガー条件・タイミング 取得すべきパラメータ 目的・分析活用イメージ
(例) view_size_guide サイズガイドを開いた時 product_id, category サイズへの不安による離脱要因分析

2. 【カスタムディメンション】の提案

イベントに付与し、分析の切り口(軸)を増やすための設定案。

ディメンション名 範囲 (イベント/ユーザー/アイテム) 設定すべきパラメータ 目的・分析活用イメージ
(例) login_status イベント login_status 会員・非会員ごとの行動差分を分析

3. 【カスタムセグメント/オーディエンス】の提案

探索レポートでの分析や、Google広告への連携(リタゲ)に使う定義案。

名称 定義・条件 活用用途 (分析 or 広告)
(例) サイズ悩み層 view_size_guideを2回以上発火 AND 購入なし 広告 (サイズ交換無料訴求のバナー配信)

※提案にあたっては、なぜその設定が必要なのか、マーケティング戦略に基づいた「意図」も一言添えてください。

GA4はGoogleタグを埋め込めば何でも計測してくれるわけではなくて、自社のサイト・事業・訪問ユーザーを適切に評価するためのカスタム設定をする「最適化」を図ることが重要です。

どんなユーザー行動を、コンテンツの情報を記録できれば事業のグロースに役立つ分析ができるのか?といった議論は社内外の関係者の方と一緒に議論して決めていくのが理想です。

そのようなアプローチをする際に、Claude Desktopで色んな案を出しておくと議論しやすくなることもあるのでおすすめです。

GA4の学習コンテンツ作成

GA4のMCPサーバーを活用して、「実際の自社データに基づいた実践的な課題」を作成するサンプルです。

あなたは「GA4の実践的データ活用を教えるプロのインストラクター」です。 以下のGA4プロパティの実際のデータにアクセスし、分析を行った上で、初心者向けの「データ集計クイズ」を作成してください。

対象データ

  • GA4プロパティID: [ここにプロパティIDを入力]
  • 集計期間: [yyyy/mm/dd] - [yyyy/mm/dd]

実行プロセス

  1. データ取得: 指定された期間の主要なメトリクス(ユーザー数、セッション、流入元、エンゲージメント、コンバージョンなど)をツールを使って実際に取得・分析してください。
  2. 特異点の発見: データの中で特徴的な数値(例:最も流入が多かったチャネル、特定のページの閲覧数など)を見つけてください。
  3. 問題作成: 取得した実際の数値を「正解」とするクイズを計6問作成してください。

作成する問題の要件

セクション1:標準レポートを使う問題(3問)

  • GA4の左側メニューにある「レポート」機能だけで回答できる基礎的な問題。
  • 「集客」「エンゲージメント」「収益化」などの標準レポート画面を見れば分かる内容にすること。

セクション2:探索レポートを使う問題(3問)

  • 「データ探索(Explore)」機能を使って、自由形式のテーブル等を作成しないと分からない、少し応用的な問題。
  • 例:特定のイベントとデバイスカテゴリのクロス集計や、ファネルの作成など。

出力フォーマット(各問題について以下のように出力)

【第N問】 (難易度: 低/中/高)

  • 問題文: [ここに問いを入れる]
  • ヒント: どのレポート(またはディメンション・指標)を見ると良いか教えてください。
  • 正解: [ツールで取得した実際の数値や項目名を記載]
  • 解説: なぜその数値になったのか、またはそのデータを見る意義を短く解説。

※まずはツールを実行してデータを読み込み、その内容に基づいて出力を生成してください。

ClarityのMCPサーバーの活用例

GA4プロパティの設定内容を取得し、問題がないかチェック

GA4で「定量(数値)」を見る。

Microsoft Clarityで「定性(行動録画)」を見る。

という2つのツールの特徴を組み合わせ、コンバージョンユーザー(CVユーザー)の深掘り分析を行うためのサンプルプロンプトを作成しました。

特にClarityのレコーディングURLを抽出させることで、数値で気になった動きを実際の動画ですぐに確認できるような構成にしています。

あなたは「ユーザー行動分析のスペシャリスト」です。

以下のWebサイトにおける「問い合わせ完了(CV)」に至ったユーザーの行動を、GA4(定量データ)とMicrosoft Clarity(定性データ)の両面から分析し、インサイトを提供してください。

対象環境・データ

  • GA4プロパティID: [ここにプロパティIDを入力]
  • ClarityプロジェクトID: [ここにClarityプロジェクトIDを入力]
  • 対象ドメイン: https://hogehoge.com
  • CV到達ページ: https://hogehoge.com/contact/thanks
  • 集計期間: [yyyy/mm/dd] - [yyyy/mm/dd] (3日間)

分析・実行プロセス

Step 1: GA4による属性・経路分析(定量)

GA4のデータを用いて、CV到達ユーザーの以下の傾向を集計してください。

  1. 流入経路: どのチャネル・参照元からのCVが多いか?
  2. デバイス: デバイスカテゴリごとのCV比率は?
  3. 閲覧行動: 「お問い合わせフォーム(/contact/)」の前に閲覧していた主要なページはどこか?(遷移経路の確認)

Step 2: Clarityによる行動観察データの抽出(定性)

Microsoft Clarityのツールを使用し、指定期間内に「CV到達ページ(/contact/thanks)」を閲覧したセッション(レコーディング)を検索してください。

  • 抽出条件: 閲覧ページURL に /contact/thanks を含む
  • 取得情報:
    • ユーザーのデバイス/OS
    • セッションの長さ(滞在時間)
    • クリック数
    • 再生用レコーディングURL(必須)

Step 3: 統合分析レポートの作成

Step 1とStep 2の情報を統合し、以下の形式でレポートを出力してください。

1. ユーザー属性と流入の傾向 (GA4)

  • CVユーザーの主要な属性や流入経路のサマリ。
  • 特筆すべき傾向(例:特定のキャンペーンからの流入が大半を占める、等)。

2. 実際のユーザー行動ピックアップ (Clarity)

CVしたユーザーの典型的な行動、または気になった行動(迷いが見られる動きなど)を含むセッションを 3〜5件 ピックアップして紹介してください。

ユーザー概要 (デバイス/流入元) 行動の特徴・気づき レコーディングURL
Mobile / Organic 入力フォームでエラーが出て修正しているが、離脱せず完了した。 [https://clarity.microsoft.com/...]
Desktop / Ads 料金ページとフォームを行き来してからCVしている。 [https://clarity.microsoft.com/...]

3. UX改善のためのインサイト

  • 定量・定性の両面から見て、フォーム到達率や完了率をさらに高めるための仮説や改善案を1つ提案してください。

※まずはGA4で全体の傾向を把握し、その後にClarityで具体的な裏付けを取りに行く順序で実行してください。

ClarityのAPIは記事執筆時点では3日間しか集計期間を設定できない仕様です。

そのため、集計する期間を調整するようなオペレーションが必要となったり、GA4は先に集計しておいて後からClarityのデータ集計をする…といった工夫が必要になります。

その他のMCPサーバーについて

Google Search ConsoleのMCPサーバーも検討しましたが、Google公式のものがなくサードパーティ製に限られるため導入のハードルが高いなと感じました。

外部のサーバーを経由せず、ローカルで実行してOAuth認証を利用すれば良いと思いますが、Google公式のMCPサーバーを提供してもらえると嬉しいですね。

 

「Amethyst AI」について

ちなみに、JADEでは「Amethyst」というGoogle Search Console、GA4のデータをBigQueryへエクスポートして活用できるマーケティングツールを提供しています。

まだベータ版ですが「Amethyst AI」という機能で、「先週比でクリック数伸びてるクエリとページ出して」といったデータ集計をできるので自作のMCPサーバーを使うよりおすすめです。

ご興味がある方は以下のページより気軽にお問い合わせください。

筆者はカスタマーサクセスのサポート担当でもありますので、皆様のデータ活用のお力になれればとても嬉しいです!

amethy.st

Amethyst AIについては、JADEのYouTubeチャンネルでファウンダーの長山と語っておりますので、よろしければこちらもごらんください!実際に画面を見せながら、機能や活用法について2人でフリートークしています。

www.youtube.com

1ヶ月使い倒してみた率直な感想

GA4とClarityのAPI経由のデータ集計・分析をMCPサーバーを介してClaude Desktopで試してみたら、思ったより色々できました。

自社のエンジニアやセキュリティ部門と相談して適切な形で導入する「土台作り」が少し大変ではありますし、API経由でデータを集計する限界ももちろんあります。

サンプリングやデータリクエストの上限などの制限が多く、サイトの規模によっては現実的には運用に耐えないと判断されることも多いです。

でも、試してみた感想は「MCPサーバーを利用するユーザー側が適切に運用できれば、非常に強力なサポート機能だな」というものでした。

BigQueryや探索レポートやLooker Studioを使って分析に取り組む日々の業務において、AIアシスタントが居てくれると楽になりそうだなと期待しています。

明日も引き続き、JADE Advent Calendar 2025をお楽しみに!

それでは皆様、よいアクセス解析を!

おまけ

MCPサーバーに限ったお話ではありませんが、GA4のデータ集計をする際どのレポートツールを選べばいいのか?というテーマでa2i様で登壇します。

ご興味がある方はこちらもどうぞ。

a2i.jp