今年やって良かったSEO分析TOP3

皆さん、こんにちは!
長期休み前に「これを学ぶぞ!」って意欲的になるけれどもだいたいやらない。
どうもコンサルタントの山田です。

JADE Advent Calendarのお時間がやってまいりました!
今日はAdvent Calendar18日目ということで、そろそろ終わりが見えてきました。

adventar.org

 

このブログに僕が登場するの、実は今年の1発目のブログ以来なのです。
皆さん、このブログ記事読んでいただきましたか?
どうやら実写化も検討されているという噂のこのブログ記事
まだの方は是非ご覧ください!

blog.ja.dev

 

皆さんは今年どんな分析を行いましたか。
新たな発見はありましたか?何か成果に繋がる施策は打てましたか?

どういう施策を打ったら良いのか日々悩んでいるSEO担当者の方は大勢いらっしゃると思います。

そこで、参考になるかどうか分かりませんが、今年僕が分析をして面白い発見をしたものを3つに絞ってご紹介します。何か持ち帰っていただけるものがあれば幸いです。

 

第3位:◯◯検索が増えると順位に好影響を及ぼす!?

皆さんが携わっているサービスはCMを打ったことがありますか?
もしくは、SNSでバズったキャンペーンだったり、イベントはあったりしますか?

 

僕は今年CMのSEO効果を分析する機会がありました。

そこで、指名検索(Navigational Query)はSEOにおいてとても大事だということを痛感しました。

 

CMは全国で放映していたわけではなくて、放映地域と非放映地域がありました。
そこで、CM実施後の放映地域と非放映地域でどのような変化があるかを比較したのです。

 

CM放映地域における変化

  1. CM放映後まもなく指名検索が一気に上昇
  2. 指名検索によって全てのページタイプへ流入が増えたわけではなく、一部のページタイプへ流入が増加
  3. その一部のページタイプの順位が非指名クエリにおいてもジワジワと上昇
  4. CM終了後指名検索が萎んでいくと同時に順位も元通りに

※ページタイプとは、例えばグルメサイトであれば飲食店が並んでいるリストページというページタイプと、レストランの詳細ページといったページタイプなどがあると思います。その同一のUIごとにグルーピングしたものをページタイプと表現しています。

 

一方で、CM非放映地域における変化はほぼ無く横ばいで推移しました。

 

指名検索を"安定的に"増やしていくことの難しさ

JADEでは必ずクライアントの指名検索/非指名検索数をモニタリングしています。
指名検索は、そのサイトを見に行きたいという明確な意図があるクエリです。
非指名検索でたまたま入ってきてもらったユーザー行動とは大きな違いがあります。
だからこそ、SEOにも影響する一つのファクターとして数値を追っています。

しかし、被リンク獲得とかと同様に指名検索数を増やしていく、しかも安定的に増やしていくというのはかなり難しいです。

一瞬だけ増やそうと思えば、大きく1回だけCMを打てば興味本位で検索してくださり一時的な指名検索数の増加は見込めるでしょうけれども、CMをやめてしまえば元に戻っていってしまいます。

大事なのは、安定して増やしていくことです。

そのためには、認知度を高めていくだけではなくサービスを利用した、コンテンツを見たユーザーの満足度を高めていく必要があること。
そして、再度使いたいと思ってもらえるかが重要になってきます。

そういう満足度の高いユーザー、再度使いたいと思ってくださるユーザーは
きっと、すぐには離脱しないでしょうし、何かしらの回遊行動はしてくれるでしょうし、何かtransactionポイントがあれば、その行動もしてくれるでしょう。

そういうユーザーが増えていけば指名検索も安定して増えていくと考えています。
そのようなユーザーが増えているかどうかの分析は上にあるユーザー行動分析していますか?に書いていますので是非参考にしてみてください。

来年はCMを打った際、もしくはCMでなくてもSNSでバズったイベント、キャンペーンがあった際には、指名検索は増えているかどうか、順位に影響が出ているかどうか検証してみてください。

そして、それら指名検索フィーバーが落ち着いた後も安定して指名検索数が増えるような結果になったのかどうかをモニタリングしていただければと思います。

 

 

第2位:「URLがGoogleに認識されていません」に巻き戻る!?

皆さんは、Search ConsoleでURL検査を行ったことはありますか?
調査したいURLを入力すると、そのURLがインデックスされているのかどうなのか、インデックスされていなければどこに問題があるのかが分かるツールです。

な"ん"でイ"ン"デック"ス"さ"れ"て"な"い"ん"だよ"ぉぉぉぉってなったことありますよね

 

そのURL検査で問題なくインデックスされている際には、「ページはインデックスに登録済みです」という文言が表示されるはずです。

しかし、ページはインデックスに登録されていませんと出た際には、いくつかのパターンがあります。

  • クロール済み - インデックス未登録:クロールしたけれどもインデックスされていない状況
  • 検出 - インデックス未登録:URLは発見してもらえているけれどもクロールをしてもらえていない状況
  • URL が Google に認識されていません:URLの発見自体なされていない状況

他にもステータスはあるのですが、とりあえずどのサイトにも起こりうる大事なものをピックアップしました。

そして、上記のステータスを見ると段階があることに気づいていただけると思います。

URLの発見→クロール→インデックス

以上のような手順でインデックスまで進むということです。
こういった検索エンジン側のフェーズを考慮しJADEではこういったフレームワークを日々活用し分析を行っています。良ければご覧ください。

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URLがGoogleに一度認識されてしまえば問題ない?

あるとき分析を行っている際に、ふとこんなことを思ったのです。
「URLがGoogleに認識されていません」は一度認識してもらえれば検出 - インデックス未登録に入り続けるのだろうか…?

とあるクライアントの「URLがGoogleに認識されていません」が減っている様子が無く、むしろ増えている気がする…
何ならこのURLこの前まで「クロール済み - インデックス未登録」じゃなかった…?

 

しかし、Search Consoleでは過去の状態がどうだったかを調べる術はありません。
そこで、AmethystのIndexWorkerを使えばURLの過去の状態を見ることができる!と思い早速調査しました。

 

僕の記憶は間違ってませんでした。
12/01時点では「クロール済み - インデックス未登録」だったのが、12/15には「URLがGoogleに認識されていません」となっています。

つまり、一度URLが認識されてもコンテンツの品質など何かしらの理由で認識されない状態に巻き戻ることがあるということです。

 

内部動線の問題ではないかもしれない

「URLがGoogleに認識されていません」というステータスが多い際に皆さんはきっとこう思うのではないでしょうか。

「内部動線が悪くてURLを見つけてもらえてないんじゃないか…」
「サイトマップが悪いのかなぁ…」

このようにURLをGoogleに見つけてもらえていない可能性に目を向けるはずです。
しかし、今回のことから明らかになったように一度認識されている=URL発見には問題はないが、コンテンツの品質など何かしらの理由で認識されていない状況に巻き戻っている可能性もあるのです。

そうすると必死に内部動線の改善施策を打っても成果に繋がらないという可能性もありますので、「URLがGoogleに認識されていません」が多いサイト様は一度本当に見つけてもらえていないのかと疑ってみてもいいかもしれません。

 

第1位:クロール率/インデックス率はユーザー行動と関係がある!?

皆さんのSEO悩み事ランキングの上位にはインデックスされない…があったりしませんでしょうか。
僕が見させていただいているクライアントでもインデックスは全く問題ないです!と言えるところは少なく、日々改善の打ち手を考えています。

そんなインデックス率を分析している中でこんなことを思ったのです。

「クロールするかどうか、インデックスするかどうかもユーザー行動って関係があるのでは」

表示順位にはユーザー行動も機械学習され影響していると考えられますが、クロールやインデックスも同じように見られているのではないかと思ったのです。

Googleのリソースも有限です。その中でよりユーザーの役に立つコンテンツをクロールしたい、インデックスしたいと考えるとユーザー行動があるのか無いのかも一つの基準になるのではと思ったのです。

このクロール率、インデックス率の調査もAmethystのIndexWorkerを使えば容易に調査することができます。

そこで、シンプルにPV数の多寡でクロール率/インデックス率に差があるのかを調査しました。

 

PV数が増えるごとにクロール率とインデックス率も変化していく

まずは以下をご覧ください。
PV数の量でURLグループを作り、クロール率とインデックス率をモニタリングしています。

※Amethystの数値を元に加工したものです。数値はダミーです。

PV数が最も少ないグループではクロール率、インデックス率ともに最も低いです。
PV数が中ぐらいのグループでは、クロール率はそこそこ高く、インデックス率も45%近くまで上昇してきました。
PV数が最も多いグループでは、クロール率は中ぐらいとほぼ変わらずですが、インデックス率は62%まで上がりました。

 

ある程度のPV数があればそれ以上はクロール率に影響は与えていかないのかもしれませんが、PV数が増えるごとにインデックス率が上がっていく様子が見受けられます。

 

あらゆる側面からクロール率/インデックス率の関係を見ていく

これを見て、PV数がクロール率とインデックス率に影響を与えている!と結論を出すには早いでしょう。

もちろんPV数も一つの要因になっている可能性はありますが、あくまでも相関関係があるかもしれないぐらいで捉えるのが良さそうです。

このPV数が多いグループには他のグループと違う特徴もきっとあるはずです。

  • ディレクトリの上位階層で内部リンクも多い
  • コンテンツをリリースしたタイミングがだいぶ前でシグナルが多く溜まっていた
  • 良質なコンテンツで外部サイトからもリンクが貼られている

これらはサイトごとによってきっと特徴も違うはずです。
Googleの高度な機械学習であればPV数だけを頼りに決まるということも無いでしょうし、これをきっかけの一つにしてどういうところに差があるのかという仮説出しに使っていただくぐらいが良いと考えます。

また、PV数以外の観点でも分析してみるべきです。
直帰率はどうなのか、回遊はどうなのか、滞在時間はどうなのか...
ユーザー行動も色々あります。どういう数値がクロール率/インデックス率と相関ありそうなのかをあらゆる側面で計測し分析をすることでより解像度が上がっていくのではないでしょうか。

 

最後に

いかがでしたでしょうか。
今年も色々な発見があった中で個人的に印象に残ったものをあげさせていただきました。
読んでいただいた皆様に何か新しい気づきを与えることができていますと幸いです。

最後に、文中でもご紹介しましたAmethystというJADEが開発したツールを紹介させてください。

Amethystは
IndexWorkerと、SearchAnalyticsという2つの機能を備えたツールです。

IndexWorkerは上記にも記載しましたように特定のグルーピングを行った上でクロール率/インデックス率の分析を行ったり、過去のインデックス状況を見ることができたりとインデックス周りの分析であればこれ一つで十分な機能を兼ね備えています。

SearchAnalyticsはSearch Consoleの上位互換だと捉えていただいていいかと思います。
Search ConsoleのUIで見るよりも多くのデータを確認することができ、特定のクエリグループやURLグループを作成し保存しておける上に、圧倒的速さで表示されるので毎日のモニタリングに適してします。
SQLが書けない方であっても同等の分析ができるツールです。

 

ご興味のある方は下のリンクから詳細をご確認いただければと思います。
ご希望があれば、山田が直々に使い方などご説明させていただきますので是非お問い合わせくださいませ。

 

ja.dev

 

明日のAdvent Calendarは、ご紹介したAmethystを作っているエンジニア、大井さんの「Amethystの話」が投稿される予定です!
お楽しみに!