【2024年】Tableauで描いた、読んでもSEOスキルが全然上がらなそうな検索動向まとめ

JADEの今年のアドベントカレンダー17日目。JADEの週次検索動向レポートから2024年の印象的な出来事をまとめてご紹介。ハッキングの傾向変化、寄生サイトの動向、Bingの検索結果の特徴など、SEOトレンドを振り返ります。

 

こんにちは! JADEコンサルタントと検索結果担当の篠原です。この記事は、JADE Advent Calendar 2024 の17本目になります。

 

11月のコアアップデートが終了したと思ったら、1週間後に12月のコアアップデートが始まりました。藤原竜也よろしく「と゛お゛し゛て゛た゛よ゛お゛お゛お゛!」と叫ばざるを得ない状況ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか(遠い目)。

コアアップデート動向まとめについては来年になってしまいそう(なんなら担当のGoogle社員もう休んでそう)なので、今回は2024年に起こった検索動向についてまとめることにしました!

 

…と、この書き出しで12月17日にまとめたのですが、

 

 

と゛お゛し゛て゛た゛よ゛お゛お゛お゛!

 

コアアップデートの話は一旦横に置いて、今回は2024年に起こった検索動向についてまとめることにしました!(現実から目を背けながら)

 

JADEではWeekly Ranking Updateという週次の検索動向レポートを出しています

JADEでは2022年7月頃からウィークリーで検索動向のまとめを社内共有する動きが始まっています。これがWeekly Ranking Update(WRU)です。

2022年7月以降のWRUが週に社内共有された回数の動向はこちら。

レポートの発行数(週)をグラフにしたもの。毎週出しているということです(※無意味なグラフです)。

 

2022年の年末には年末年始でお休みしていましたが、2023年はなんとか発行する方法がないかを思案。ちゃっと作れる検索全体の数値動向のみを発行するレポートを発行していました。毎週何か書いています。

また今年からプロジェクトメンバーも増加し、調査の品質なども随時改善されています。

 

2024年を振り返って面白かったトピックカレンダー

Weekly Ranking Updateでは、その週にあったGoogleに関するトピック2つ、Bingに関するトピックを1つピックアップして社内共有しています。

今回アドベントカレンダーを書くにあたって、2024年各週の動向で気になったトピックをピックアップしました。

date Googleトピック Googleトピック Bingトピック
1月3日 -    
1月10日 JS失敗 1hostあたりの表示数増加  
1月17日 -    
1月24日 1hostあたりの表示数増加   この広告インデントがひどい!検索結果…
1月31日 1hostあたりの表示数増加    
2月7日 -    
2月14日 1hostあたりの表示数緩和 Bluesky  
2月21日 clickスパム増える    
2月28日 -    
3月6日 コア開始 寄生リダイレクト  
3月13日 Wikiからの被リンク操作    
3月20日 click / buzzスパム増える spamUD終了  
3月27日 -    
4月3日 -   検索結果…
4月10日 年度末サイト削除祭りの顛末    
4月17日 年度末サイト削除祭りの顛末   トレンドブログ
4月24日 コア終了 転生が目立つ  
5月1日 -    
5月8日 寄生サイトの下落祭り〜5/15 ハッキング増える  
5月15日 検索結果上のセパレートがPCに コア揺り戻し  
5月22日 -    
5月29日 揺れるサイトが多い ハッキング増える  
6月5日 検索意図調整? HCUコンテンツの下落  
6月12日 -    
6月19日 ハッキング増える 独自ドメインを大手のサブドメにしたら…  
6月26日 スパムアップデート動向    
7月3日 30超のメディアサイトを企業サイトの配下に統合    
7月10日 Xドメインの動き    
7月17日 大手サイトの下落 独自ドメインを大手のサブドメにしたら…2  
7月24日 robots誤用 Cookie誤用  
7月31日 robots誤用 寄生のインデックス削除 大手サイトの復旧
8月7日 オリンピック検索動向    
8月14日 1hostあたりの表示数緩和    
8月21日 コア開始    
8月28日 ひとつまみの小規模サイトの上昇 検索結果上の?srsltid 公式トップが出てこない。検索結果…
9月4日 コア完了    
9月11日 某決済サービスが複製コンテンツで上昇    
9月18日 ひとつまみの小規模サイトの上昇・元に戻る1   sitemap.xml事例
9月25日 ひとつまみの小規模サイトの上昇・元に戻る2   小手先テクニックに反応してしまう。検索結果…
10月2日 アダルトジャンルでハッキングスパム増加    
10月9日 -    
10月16日 違法サイトのアレ レンダリングの失敗 Bing vs Google比較
10月23日 -    
10月30日 ドメインの切り分け事例    
11月6日 リニューアル後の特定テンプレート動向 サブドメインの動き  
11月13日 コア開始 meta refreshによる転送 Bingの1host表出多すぎ問題。検索結果…
11月20日 特定ジャンルが大きく伸びる1    
11月27日 特定ジャンルが大きく伸びる2 続・検索結果上のセパレートがPCに  

 

【2024年最新】役に立たなそうな検索結果トレンドBest3

3位:ハッキングのトレンドが変化

必ずしも正確な計測方法ではないのですがハッキングサイトとして検出されたサイトのccTLDをベースに、ハッキングの傾向をウォッチしています。

直近の海外ccTLDの動向は次のとおりになります。

全体でひときわ大きく目立っているのが、春先にかけて大きくブームを迎えているのが.brのハッキング。直近では終焉を迎えています。

ハッキングで確認できたccTLDを観測しているものなので、これらのccTLDが必ずしもスパムでないことには注意が必要

 

下火になってきた.brのハッキングにハイライトしたもの。

 

取って代わるように少し伸ばしている.plのハッキングとなっています。

 

また、見ていただくと分かる通りスパムの発生しやすいジャンルにおいても変化があります。

春先においてはLifestyleなどのジャンル(生活用品×通販のようなクエリ)でハッキングが散見された傾向にありますが、直近ではそれらが減少。Adultジャンル(****×***のようなクエリ)のハッキング検出が非常に目立ちます。規模も大きめです。

 

下記はハッキングサイトのhostごとの検索スコアの大きさを描画したものです。

ハッキングされているhostについても規模の大きいサイトから小さなサイトまで散り散りになっていることがわかります(それっぽい理由をつけていますが作業していたらキレイダナーと思っただけです)。

 

こうしたハッキングを検索で見つけたらより良い検索結果にするためにスパム報告を行いましょう。

スパム、フィッシング、マルウェアを報告する | Google 検索セントラル  |  サポート  |  Google for Developers

 

2位:面白かった寄生リダイレクトのポリシーの回避

昨今話題になりがちな寄生サイトの問題です。寄生サイトは昨今比較的早い段階でGoogleに捕獲されるようになりました。

その際に回避手段としてペナルティを受けたり、順位を下げたサイトに対してリダイレクトを行うことで一時的な回避を行っているサイトも散見されました。

回避してもすぐに捕獲されるため、ディレクトリ変更する方もだんだん面倒になってきたのか命名ルールが適当になっていきます。

時系列

  • /media-site/ → /mediasite/(ハイフンを除外)
  • /mediasite/ → /nnediasite/(mをnnに変更。個人的にはこれが一番好きです)
  • /nnediasite/ → /nnediasiter/(末尾にrをつける)
  • /nnediasiter/ → /nnediasitery/(末尾にyをつけてURLを形容詞っぽくする)
  • /nnediasitery/ → /nnediasitery1/(数字をつける。面倒になってきたようです)
  • /nnediasitery1/ → /nnediasitery2/(以下、5くらいまで続く)

このように短期間で回避を続けているにもかかわらずその努力虚しく、報われずに散っていきます。以下が末期の図です。

橙の箇所も第2ディレクトリ名称を変更しては散っていき、縮小しています。

寄生サイトの第1ディレクトリ名の変遷

 

なお、こうしたことを繰り返すのはポリシーの回避としてより大きなペナルティを受ける可能性が高いため、絶対にやらないようにしましょう。

またこうした寄生サイトを検索で見つけたらより良い検索結果にするためにスパム報告を行いましょう。

スパム、フィッシング、マルウェアを報告する | Google 検索セントラル  |  サポート  |  Google for Developers

 

1位:Bingの1host表出多すぎ問題

JADEでは検索結果上の定点観測の一環として、1つの検索結果においてhostあたりのURL数が平均どれくらい表出しているかという指標をウォッチしています。

例えば50位までのランキングを確認した際に以下のような結果があったとします。

  1. 50位までに50host:50/50 = 1、1つの検索結果に1hostあたり平均1URLを表示している
  2. 50位までに10host:50/10 = 5、1つの検索結果に1hostあたり平均5URLを表示している

1の場合には検索結果が特定のサイト(host)に偏っていない、2の場合には検索結果が特定のサイト(host)に偏っているということが考えられます。

今までこの指標においてはGoogleのみ追っていたのですが、2024年の10月からBing側も対応してみました。

その結果がこちら。

左からGoogle(SP)、Google(PC)、Bing(PC)

指名クエリと非指名クエリ、いずれもGoogleより圧倒的に同じhostが一つの検索結果に表示されやすくなっています。

そこで実際にドメイン寡占の強いクエリについて調べてみました。

 

「茨城 格安航空券」(非指名検索)

1ページ目は普通(?)なのですが2ページ目を見ると特定のサイトが複数のURLを占めていることがわかります。

1ページ目:広告7枠→オーガニック3枠→広告2枠(オーガニックとは)

 

2ページ目:広告5枠→オーガニック3枠→広告2枠→オーガニック7枠→広告2枠(オーガニック10枠のうち、同一host7枠)

 

一つの検索結果でたくさん表示される側としては嬉しそう。でも広告が多すぎてクリック影響はいかほどなのか……と思わざるを得ない。

 

「amazonスリッパ」(指名検索)

こちらは指名検索です。「amazon」と検索キーワードに入れているので間違っているわけではないのですが「検索結果の多様性とは……」となりますね。

110位まで全部Amazon。111位に価格コム登場。(他hostも見えますが全部広告です

ずーっとページを繰る作業をしていると一生Amazonドメインでいてほしいような、そろそろ新しいドメインでいてほしいような矛盾する願望が出てきます。

 

まとめ

以上、2024年のSEOスキルが全然上がらなそうな検索動向まとめBest3でした。

2024年イチで役に立たない情報を紹介させていただきましたが、役に立つ側の検索動向に関してはJADEのメールマガジンにて一部公開しています。もしよかったら登録してください。無料です。下のフォームからどうぞ! 

 

明日以降も引き続きJADEアドベントカレンダーをお楽しみください。それではみなさま良い検索を!