「SEOを頑張っているのに効果が出ない」「SEO観点の課題がどこにあるのかわからない」「SEOとLLMOどっちを対策したらいいのかわからない」……。情報が多いこの時代、何かとウェブ担当者の方の悩みは多いかと思います。
そんな方の課題を明確にするための考え方をご紹介したいと思います。
【もくじ】
- SEO上の課題はDCIR-QCLSモデルで解像度が上がる
- よくあるSEOの悩みをDCIR-QCLSモデルで考える
- 実はLLM向けの対策(LLMO)も同じモデルで解消できる
- サイトの課題がどの部分に当たるのかを分類・優先度付けをしましょう
SEO上の課題はDCIR-QCLSモデルで解像度が上がる
JADEでは検索エンジン集客の課題を具体化して取り組めるようにDCIR-QCLSという検索インタラクションモデルを使用しています。
詳しくは後述記事を参考にしていただければと思いますが、検索エンジン側の課題(DCIR)と検索ユーザー側の課題(QCLS)を明確にした上で検討しなくてはいけない施策を具体化する考え方となります。
- 検索エンジンモデル: Discover - Crawl - Index - Rank (DCIR)
- 検索体験モデル: Query - Click - Land - Surf (QCLS)
【こちらの記事です】
実際によくあるSEO課題からDCIR-QCLSモデルに当てはめて考えてみましょう。
よくあるSEOの悩みをDCIR-QCLSモデルで考える
SEOで成果が出ない、と悩んでいる方がよく抱えられている課題をDCIR-QCLSモデルに当てはめて考えてみましょう。
1. 確認しきれない量のSearch Consoleのエラー。何を対応すればいいのかわからない問題
Search Consoleから「〇〇の問題が検出されました」「ページ がインデックスに登録されない新しい要因」といったメールが来るものの、「どうすればいいの?」という方は多いのではないでしょうか。
ここでは簡易的に記載しますがDCIR-QCLSに当てはめて考えると次のようなものがあります。
※検索エンジン側の課題であることが多いのでDCIR側の課題となるケースが多いです。
起こっている事象と具体的な課題例
- 「クロール済み - インデックス未登録」:コンテンツは存在するものの検索エンジンからは読み取りづらい状態になっている。(Index)
- 「重複しています。ユーザーにより、正規ページとして選択されていません」:同じようなページが複数存在するものの、canonicalなど正規化などが適切に実施されていない。(Index-Rank)
- 「リダイレクト エラー」:エラーの出る不要なURLに向けてリンクが存在しており、検索エンジンが発見できる経路が存在する。(Discover-Crawl)
- 「ページにリダイレクトがあります」:そもそも課題ではない。よく課題と間違われるが「リダイレクトがある」というだけのもの。
上記のように、Search Consoleでは事象そのものは教えてくれるものの、対応方法や具体的な優先度まで教えてくれないためよくわからない担当者としては迷ってしまうのは言うまでもありません。
2. コンテンツ作って集客しようとしているが失敗している問題
検索からの集客を増やそうとしてまずコンテンツを作ろうと着手してみたのはいいものの、全く成果が出ていないようなケースです。
「コンテンツを作っているが成果が出ない」だけ聞くと非常に抽象的な課題ですが、ドリルダウンしていくといくつかの代表的な課題に落とし込むことが可能です。
起こっている事象と具体的な課題例
- コンテンツを増やしているが集客数が増えない:検索需要の有無を精査していないコンテンツを作っている。(Query)
- 新規コンテンツのインデックスがされない:コンテンツのページに向けて発見経路となるリンクが存在しない、ないしはJavaScript生成のリンクで発見しづらい。(Discover-Crawl-Index)
- 検索クエリで表示されるが意図していないページが表示される:意図していない重複ページができており、そのページがインデックスされているが正規化対応されていない。(Index-Rank)
3. リニューアルやサイト移転を行ってから集客が激減した問題
リニューアルやサイト移転を行ってから検索エンジンの集客が激減したという話もよくあります。
これはリニューアルの際にSEO要件を全く検討していない場合に起こりがちです。
こうしたケースでは以下のような課題を抱えていることが多いです。
起こっている事象と具体的な課題例
- リニューアル後のランキング減少:URLを変更しているのに正しいリダイレクトがかかっておらず、新規URLに評価が引き継がれていない。(Discover-Crawl-Index-Rank)
- リニューアル後のコンテンツが表示されない:主要コンテンツがJavaScriptで生成されていて検索エンジンが内容を読み込みづらい状態になっている。(Discover-Crawl-Index-Rank)
- 意図しないページがインデックスされる:リニューアル後に不要な計測パラメータがついたURLを生成している、誤った内部リンクが設定されている。(Discover-Crawl-Index-Rank)
実はLLM向けの対策(LLMO)も同じモデルで解消できる
ここまでDCIR-QCLSモデルに沿ってSEOの話を書きましたが、最近話題に上がるLLM向けの施策(巷でLLMOやGEOなどと呼ばれているもの)もDCIR-QCLSモデルで考えることが可能です。
検索エンジンモデル (DCIR): LLMがURLをどう扱うか。
- Discover (発見): URLが見つけられるか。
- Crawl (クロール): サイトが適切にクロールされるか。
- Index (インデックス): コンテンツが正しく登録・理解されるか。
- Rank (順位づけ): 適切に評価され、順位がつくか。
検索体験モデル (QCLS): ユーザーがLLMを通じてどうサイトと接するか。
- Query/Prompt (検索・プロンプト): ユーザーの検索・プロンプト意図に応え、表示されるか。
- Click (クリック): 検索結果やAIの回答の中でクリックされるか。
- Land (着地): ページでユーザーの意図を満たせるか。
- Surf (回遊): サイト内で次の行動につながるか。
詳しくは下記をごらんください。
サイトの課題がどの部分に当たるのかを分類・優先度付けをしましょう
SEOの課題の一例をDCIR-QCLSモデルに基づいて書かせていただきましたが、SEO専門ではないウェブ担当者にとって施策の優先度や、課題の発見などを行うことは難しいと言えます。
ネットで検索してみても、重要でもない施策があたかも重要そうに書かれているものも多く、より迷ってしまう方は多いのではないでしょうか。
今回のお話の中で悩んでいるウェブ担当者さんがDCIR-QCLSモデルに基づいて考え、抱えられている課題の解消や優先度付けの一手になれば幸いです。
それでもどうしたらいいのか分からない人はご相談を
もしその上で「何から手をつければいいか分からない」「具体的な課題が見えない」ということであれば、上記の検索エンジン側の課題(DCIR)部分を中心に課題を洗い出す診断サービスもございます。
今のサイトの状態がどのようなものなのか、そもそも解消すべき課題はどのくらいあるのかを判断することができます。そして課題や改善点を明確にしたうえで、次の一手を考える手立てとなります。もしお悩みでしたら、遠慮なくJADEまでご相談ください。