こんにちは、JADEの小西( @isseik )です。
2025年4月2日にこちらの記事を公開しました。
その後、Googleは今回の問題を認めて、費用面での対応をすることを発表し、実際に、対応があったことが確認できています。
Googleがとった対応として確認できていること
※あくまで弊社が確認できたことであり、すべての事象を確認できているわけではありません。
6/12:はじめて、本件に関する案内メールが送信された
Google 広告に登録されているGoogleアカウントのメールアドレスに、今回の問題を認めたと読み取れるメールが届きました。調整クレジットがあるということが書かれていましたが、具体的にどういう問題だったのか、あらかじめ状況を知っている人でないと理解できるものではなく、また、クレジットの付与が具体的にどういう形で、いつされるのかも書いていなく、不明点が多いものでした。
7/1~2あたり:広告アカウントに調整クレジットが付与された
弊社が確認できるうちのいくつかのGoogle 広告のアカウントにて、調整額が付与されたことを確認できました。弊社が確認した限りは7/1なのですが、他社の方から、7/2の付与もお聞きしていますので日付については全く同じではないのかも知れません。他社さまの状況もお聞きする限り、かなり多くの広告アカウントに付与されているのではと推測できます。
広告アカウントの料金ページで確認できる、次の説明が添えられた調整額が、今回付与されたクレジットのことなのだろうと見受けられます。
検索パートナー ネットワークで最近発生した事象により、お客様の広告の掲載位置の品質がGoogleの高い基準を満たせていなかったため、付与いたします。この潜在的な事象については、システムを改善することで対処いたしました。: 2025年7月1日
6/12のメールで「調整クレジット」と書かれていましたが、これは、この「調整額」のことだったのだろうと見受けられます。
つまりどういうことになるのか
返金ではなくて、この後広告費として使えるクレジットが付与されたということ
つい返金と言ってしまいがちですが正確に言うと返金ではなく、「調整額」の付与です。この後、広告費として使える金額、あるいはすでに確定している請求額から引かれる金額です。現金が戻ってきたわけではありません。
混乱が起きるケースがありそう
「調整額」自体は普段からよく発生しているものです。今回、付与された額が小さかったのであればいつもの調整額と扱いが変わらなく、あまり気にする必要もないことでしょう。
額が大きかったとしても、広告代理店を通さずに広告運用している広告主、あるいは広告運用代行だけを依頼していて広告主自身が広告費を直接Googleに支払っているケースであれば、今月以降使う広告費のうちの一部が請求されない、実質値引きとなるだけで、比較的大きな混乱は起きないでしょう。
対応が悩ましいことになるであろうケースとしては例えば次のようなことが考えられます。
- 広告配信をしているが予算を大幅におさえたので、クレジットの利用に時間がかかる
- 広告配信を今は停めていて、クレジットが付与されたのに使えない
- 調整額が高額、かつ、広告代理店に依頼している
3つ目が特に悩ましいです、付与されたクレジットをどう扱うか、扱い方によって、広告代理店の売り上げか利益あるいはその両方を落とすのか、広告主が今回の事象による調整額を無視するのか、予定通りの広告予算を使いながらクレジット分も上乗せすることで解決するのか、など対応を考えることになるでしょう。
どれを取るにしてもイレギュラーな処理が入りますし、関係者全員の理解を得るためのコミュニケーションが必要ですし、大変大きな負担がのしかかります。
今回の一連の流れで思う、お金以外の問題
検索パートナーへの信用は、結局低いまま
検索パートナーには、そもそもブラックボックスであるという問題がありました。アドフラウドが発生しやすい構造を持つ検索パートナーではあったので、「改善した」からといって今後は信用できる検索パートナーだけになったのかどうかはわかりません。今回具体的に何があったのか、どのような改善をしたのか、検索パートナーの仕組みはどうしていくのかなど丁寧なコミュニケーションがない限り、今回の問題が終わったとしても結局は検索パートナーへは配信しない状態を選ぶ広告主も多いのではないでしょうか。
コミュニケーション上の問題がある
今回、実際にアドフラウドだったのか単に品質の低い配信だったのか、いずれにしてもGoogleが問題を認めてくれたことはありがたいですし、クレジットの付与という金銭面での対応もしたことはとっても大きな進展であると、個人的には思います。
しかし、一体何があったのか多くの人にとって理解が難しく、疑問に思うような進め方をし、たくさんの人の混乱を招くことになり、コミュニケーションには大きな問題があると言えます。クレジットの付与自体は何の連絡もなく突然されているようなので、まだ事象を把握していない方も多くいらっしゃると思います。普段ならごく少額の調整額なのに、突然、数百万円、あるいは数千万円という不自然なほどに高い金額で付与されているのを目にして、一体何があったんだと混乱してあちこち連絡したり情報を収集したりすることになります。
もう少し混乱は招かないような進め方を、Googleはとれたはずです。繰り返しますが今回の問題を認めてくれたことは評価に値することだと思いますが、コミュニケーションももっと上手くできたはずです。Google 広告の運用現場には様々な関係者が様々な業務をしていて、Googleのコミュニケーション一つで関係者皆さんの業務負荷が大幅に変わります。GoogleにもGoogleの、チームも国も超えて様々な関係者がいらっしゃる中で進めなければいけないという難しさがきっとあることかと想像できますが、ぜひ、広告主や広告代理店などあらゆる関係者の背景を意識しながら、広告ビジネスの展開をしてくれることを強く願います。
最後に、この件で対応をされているGoogle 広告サポート担当者さま、Google 広告営業担当者さま、広告代理店担当者さま、本当にお疲れ様です。