こんにちは!JADEの郡山(@RK_prv)です。
従来のバージョンのGoogleアナリティクス=ユニバーサルアナリティクス(UA)が正式に終了する7月がいよいよ迫ってきましたね。
UAからGA4へ完全移行する直前のタイミングだからこそ、基礎知識をしっかりと抑えたいという方は多いのではないでしょうか。
今回は、先日開催されたGoogle社主催のイベントSearch Central Live Tokyo 2023のライトニングトークで私が発表した資料を使ってGA4基礎知識をいくつかご紹介いたします。
ライトニングトーク「GA4でOrganic Searchのトラフィックをどう評価していくのか」
- 登壇資料(Googleスライド)
- 各ページのキャプチャ画像
- ライトニングトークの原稿
この3つを公開します。
7分の持ち時間ジャストでお話しきれるボリュームで、
セッションやコンバージョンの評価方法などをSEO担当者の方に説明するというテーマで作成したものです。
GA4に慣れている方も、そうでない方も、 7分程度のお時間があればぜひ御覧ください。お役に立つポイントがあれば幸いです。
登壇資料はこちら
各ページを解説(LTの原稿)
P.1 タイトル
それでは始めさせて頂きます。
「GA4でOrganic Searchのトラフィックをどう評価していくのか」
というテーマでお話をさせて頂きます。
株式会社JADE・コンサルタントの郡山と申します。
本日はよろしくお願いいたします。
P.2 自己紹介
まず初めに、簡単に自己紹介をさせて頂きます。
私は2011年にサイバーエージェントグループの株式会社ウエディングパークという事業会社に新卒入社しました。
約10年ほどの期間でセールス・ディレクター・コンサルタント・データアナリストの職域で様々なお仕事をさせて頂きました。
2023年6月から株式会社JADEに入社し、現在はコンサルタントとして働いています。
アクセス解析やGA4活用支援を主な職域としており、GAユーザーに向けた社外活動もしています。
どこかでご縁があれば幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
P.3 テーマ1:UA/GA4ざっくり比較
それでは本題です。
本日は「GA4でOrganic Searchのトラフィックをどう評価していくのか」というテーマで、3つのお話をさせて頂きます。
まず最初に、UAと呼ばれる旧バージョンと、最新バージョンであるGA4の違いについて少しご説明したいと思います。
P.4 UAはセッションを最適化するためのツール
長年愛されてきた従来のバージョンのGoogleアナリティクス「ユニバーサルアナリティクス」はUAと略して呼ばれています。
このUAでは、ユーザーがウェブサイトを訪問したことを「セッション」というデータで収集します。
どの流入経路からきたのか? という判定をする情報を「参照元情報」と呼び、各セッションに紐付けています。
そして、ウェブサイトにとって重要なユーザー行動「来店予約」や「商品の購入」といったものが発生すると「コンバージョン」というKPIとなるデータをGAでは記録することができます。
この、コンバージョンが発生した際のセッションを「ラストコンバージョン」と評価し、それ以前に訪問したことがあれば、「アシストコンバージョン」と評価します。
この分類により、ラストコンバージョンが発生した際の参照元を重要視して、
セッションをより多く獲得する、コンバージョンレートを高めるために最適化することをUAは得意としていました。
P.5 GA4はユーザーに最適化するためのツール
では、最新バージョンであるGA4はどんなことを得意としているかというと、
セッションに限らず、ユーザーの様々な行動・接点を参照元ごとに評価することができるツールとなっています。
例えば、ユーザーを獲得した際の参照元を判定するという「ユーザー単位」の評価です。
もちろん、UAの頃と同じように各セッションごとの参照元を判定することもできます。
そして、コンバージョンとして定義したユーザー行動が発生した際の参照元を判定することができます。
ユーザーの行動ひとつひとつを記録する「イベント」という最小単位のデータで「より細かく判定できるようになった」と捉えて頂ければ一旦大丈夫です。
UAではセッション単位の参照元のみで各流入経路を判定していましたが、
GA4ではより多彩な軸で判定ができるようになりました。
例えば、最初にSEO経由で特定のLPやコンテンツに触れたユーザーが最もCVRが高い、
という分析や評価ができれば
「コンバージョンが発生したときのセッション」だけを最適化するのではなく、
ユーザーの行動に寄り添った最適化にトライできるようなるたのがGA4の特徴です。
P.6 テーマ2:セッションを計測する仕様
とはいえ、ユーザーが訪問した実績を「セッション単位」で捉えることは引き続き重要です。
続いてのお話では、UAとGA4が「セッション」を計測する仕様について触れていきます。
P.7 UAは参照元ごとにセッションを記録していた
UAでは、参照元ごとにセッションを記録するという仕組みでした。
各データを記録する単位は「スコープ」と呼ばれており、セッションスコープで流入経路を判定していたというものですね。
今回は、一人のユーザーが短期間でSNS、広告、SEO経由でウェブサイトを訪問し、コンバージョンをしたというケースで紐解いていきましょう。
今回は3つの参照元でウェブサイトを訪れているので、
1ユーザー3セッションという結果になります。
このユーザー行動をGA4ではどのように計測するのか、比較してみます。
P.8 GA4は3種類のスコープで参照元を記録している
UAは参照元が変わるたびに新しいセッションを開始しますが、
GA4では「前回の訪問から30分以上経過してから再訪問すると、新しいセッションを記録する」という仕組みになっています。
SNS➔広告➔SEOと3種類の参照元でサイトを訪れるケースを例としていますが、
広告経由で訪問した2回目のセッションを開始してから、
一度離脱して、30分以内にSEO経由で再訪問があった場合は
「広告経由のセッションが継続している」と判定・記録されます。
↓↓↓↓↓クリックしてアニメーションを表示↓↓↓↓↓
整理すると、
ユーザースコープでは「最初のセッション=ユーザーを獲得した参照元」はSNSを記録し、セッションスコープの参照元ではSNS、広告で1回ずつ記録します。
そして、イベントスコープでは
「コンバージョンが発生したユーザーが記録したイベントごとの参照元」を評価します。
最初の接点であるSNS、
再訪問の接点である広告、
セッションの途中でSEO経由の流入で行動が再開されたという接点
この3つをコンバージョンに至るまでの参照元ごとの経路として記録します。
P.9 テーマ3:CV貢献度を評価する仕様
では、このイベントスコープで捉えた詳細な経路で、
参照元ごとの各接点がどのようにコンバージョンに貢献したのか評価する仕組みについて、最後にお話したいと思います。
P.10 UAはセッションを評価する「アトリビューションモデル」
UAの頃から、「アトリビューション」というCVへの貢献度を評価する仕組みがありました。
様々な評価方式=モデルに当てはめることで、
どのタイミングでユーザーが訪問したときを重要視するのか?という基準を決めて採点することができます。
冒頭でお話した「ラスト・アシストコンバージョン」という捉え方と合わせて、
アトリビューションモデルの評価も使い分けていた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
P.11 GA4はユーザーの接点を評価する「アトリビューションモデル」
そして、GA4のアトリビューションモデルについてです。
こちらは、イベントスコープで参照元ごとの接点を評価するという違いがまずあります。
最も大きな特徴は、デフォルトの評価モデルが「データドリブンアトリビューションモデル」という機械学習によるモデルとされたことです。
参照元ごとの接点がどの程度コンバージョンに貢献したのかをGoogle独自の仕組みで評価してくれるというモデルです。
これに加え、UAのラストコンバージョンに相当する「最後の接点」を評価の基準にするラストクリックモデルや、「最後に接点のあったGoogle広告」を評価基準とするものがあります。
ユーザーの行動が多様化し、
アクセスするデバイスや環境も様々なものが利用されています。
セッション単位だけでSEOの評価をするのではなく
ユーザー・セッション・イベントの3つのスコープでOrganic Searchの実績と向き合ってみてはいかがでしょうか。
以上を持ちもまして私の発表を終えさせて頂きます。
ご清聴ありがとうございました!
最後に
Search Central Liveでは、とても多くの方々と交流することができとても楽しいひとときを過ごさせて頂きました。このような場に招待してくださったGoogle社員の皆様と、当日お会いした皆様に心から感謝いたします。
今後も様々な発信をしてまいります。
引き続きよろしくお願いいたします。