こんにちは、JADEでSEOを担当している藤井です。スイカゲームで苦手なフルーツはデコポンです。
本日はJADEブログにしては比較的簡単な基礎のお話なので、肩の力を抜いてお楽しみください。
突然ですが皆さんは“site:”を使ったことがありますか?SEOを生業としていて、このブログにたどり着くような方でしたら星の数ほどご利用になられている検索演算子、通称「サイトコロン」ですね。
しかしこのsite:検索、何年もSEOに携わっているのに誤った理解で使っている人もいるみたいなんです。公式ドキュメントを読み直したところ、私自身も一部誤解していたことに気がついたので、今日はその内容を共有させていただきます。
一緒に学びましょう!
(2024年3月時点のGoogle検索セントラルのドキュメントを参考に執筆しています。)
- site: を使って、特定のURLがインデックス登録されていることを確認できますが絶対ではありません
- site: でインデックス登録済みのページ数は確認できません
- site: の検索結果の並び順はほぼランダムです
- 誤解していることに気づくのは難しい
- とにかく公式ドキュメントを読もう!
site: を使って、特定のURLがインデックス登録されていることを確認できますが絶対ではありません
Googleの検索ボックスで特定のURLの前に“site:”という演算子をつけて検索することで、そのURLがGoogleにインデックス登録されているかどうかを確認することができます。
site:を文頭につけてURLを記述し検索した場合、インデックスに登録されているか否かを確認できます。ただし、100%確実ではないとGoogle公式ドキュメントに記載があります。
URL が Google のインデックスに登録されていれば、その URL に関連する site: クエリの検索結果に表示される可能性がありますが、常に表示される保証はありません。site: クエリで URL が表示されない場合は、URL 検査ツールを使用して、インデックス登録が可能な URL であることを確認し、URL のインデックス登録リクエストを送信してください。
引用元:https://developers.google.com/search/docs/monitor-debug/search-operators/all-search-site?hl=ja
この箇所ですね。
確実にインデックス登録されているかどうかを知る方法は、Google Search ConsoleのURL検査です。
URL検査はコレ!
URL検査機能はGoogle Search Console内の下記枠線部分にURLを入力して使います。
そのプロパティに含まれるひとつのURLがインデックスに登録されているか否か、確実な情報を得るために間違いのない方法です。
また、このページが発見された経路、前回クロールされた日時なども一緒に確認することができます。これがないとSEO業務はできないレベルですよね。
site: でインデックス登録済みのページ数は確認できません
site:検索でやってしまいがちなこと2つ目、Webサイトが保有するページ数を調査する用途に使っていませんか?実はこれも誤りです。
site: 演算子は、クエリで指定したプレフィックスに関連してインデックス登録されているすべての URL を返すわけではありません。特定のプレフィックスに関連してインデックス登録済みで検索結果に表示される URL の数を調べるようなタスクで site: 演算子を使用する場合は、この点に注意してください。
引用元:https://developers.google.com/search/docs/monitor-debug/search-operators/all-search-site?hl=ja
「site:example.com」と検索して出てきた数が、ドメイン配下のインデックス登録されているページ数ではないんです。実際やってみると、検索するタイミングや端末・ブラウザによって数値がまちまちなことにお気づきいただけるでしょう。
あくまで経験則としては、ページ数の少ないディレクトリを対象にするとGoogle Search Consoleで見るインデックス登録数とバッチリ合致していることがありますが、少し大きめのサイトで実施と数十万単位で異なることがあります。
私は昔、site:検索の結果を元に「競合サイトがこのぐらいのコンテンツ数を持っているから、追いつくためにはあと○本のコンテンツを作らなきゃ」といった趣旨の会話をしたことがありますが、あのとき見ていたのは正確な値ではなかったんですね。(数値が不正確なこともそうですが、目標の立て方としてもイマイチだと今になっては思います。それはまた別のお話。)
インデックス登録数を確認するなら“ページのインデックス登録”レポート
インデックス登録されているページ数を把握する方法は、Google Search Consoleの“ページのインデックス登録”というレポートです。少し前までは“カバレッジ”と表示されていたのでその名前で認識している方も多いかもしれません。
下記枠線で囲った“ページ”をクリックし、“登録済み”の数字がそのプロパティ内でインデックス登録されているページ数となります。
site: の検索結果の並び順はほぼランダムです
さて、私が勘違いしていたのはこの部分です。site:検索、あるいは「site:example.com ○○」という検索結果の並びには、何らかの規則性があると思っていたのです。
クエリなしの site: 演算子(例: site:example.com)は、結果をランク付けしません。通常は、そのプレフィックスに対応する最も短い URL が一番上に表示されますが、それ以外の結果はほぼランダムです。
引用元:https://developers.google.com/search/docs/monitor-debug/search-operators/all-search-site?hl=ja
「site:example.com」のようなクエリなしのsite:で検索したとき、一番上は最も短いURLとありますので、ほとんどの場合TOPページが表示されることでしょう。しかしそこから下はランダムだったのです。
コンテンツの品質やPV数、サイテーション、集めているリンク数などなど、何らかのスコアが高い順に並んでいると勝手に思い込んでいたのですが、ランダムだそうです……。
そして最も誤解されていそうなのは下記の箇所。
site:<https://example.com/> レモン …… 「レモン」という単語に対して表示されるサイト内の URL を示します。
引用元:https://developers.google.com/search/docs/monitor-debug/search-operators/all-search-site?hl=ja
SEOの業務において、こんな会話・調査をしたことはありませんか?
「どのページを特定のクエリで上位表示させるべきか調査しよう」
↓
「site:example.com {クエリ}で検索し、1位に表示されるのが現状そのクエリで一番評価されているページなんだ」
↓
「だからこのページを強化しよう!」
これは正しいとは言えません。「site:example.com {クエリ}」という検索では、単にクエリのマッチを行っているだけで、ランキングシステムの全ての要素が動作するわけではないので、1番上に表示されるからといって1番力を入れるべきURLであるとは限らないのです。……って元GooglerでJADEファウンダーの長山さんが言ってました。
公式ドキュメントからわかる情報も上記の引用箇所のとおりでして、評価が高い順に並んでいるといった情報は記載されていません。
JADEのサイトで最も「SEO」で求められるページとは……?
試しに「site:https://ja.dev/ SEO」と検索すると、検索結果はこのようになっていました。
1番目に表示されるのは「私がSEOのコンテンツプランニングで大切にしていること」というブログ記事です(ぜひ読んでね!)。たしかに良い記事ですが、SEOについて知りたい人のニーズに適しているページはもっと他にあるはずですよね。
ちなみに日を改めたら別のページが上位表示されましたし、ブラウザをシークレットモードに切り替えても別のページが表示される結果となりました。
site:example.com にクエリを加えた検索結果を元に何らかの分析をするのはナンセンスであるとお気づきいただけましたでしょうか?
誤解していることに気づくのは難しい
私はこのsite:検索演算子を前職時代に先輩から聞いて知りました。「サイト内にどんなページがあるのか、ざっと見たいときに便利だよ」といった文脈だったと思います。
ただ、人から聞いた情報に頼って一次情報の確認を怠ると、いつの間にか間違った知識を身につけていることがあります。
「こんな法則があるのかもしれない」が、いつの間にか「こんな法則で並んでいるのだ」と勝手に頭の中で常識化されているのです。
また、今回このブログを執筆するにあたってsite:検索演算子についてGoogle検索で調べてみたところ、上で挙げたsite:の誤用を紹介しているSEO代理店による記事を発見してしまいました……。
どこかで聞いた噂を事実と思い込んで発信する。それを見た誰かが信じてしまう。そんな悪循環によって、趣味でやっている個人サイトが不利益を被るだけならともかく、コンサルタントとしてお客様に間違った知識を伝えてしまうことだけは避けたいところですね。自分も気をつけようと思いました。
とにかく公式ドキュメントを読もう!
先日ブログで紹介したJADE中学という取り組みの中で、私たちはGoogle検索セントラルのドキュメントを頭から全て読み切りました。こんな機会でもなければ、私はわざわざsite:のページなど開かなかったと思います。ずっと誤解したままだったかもしれません。
貴重な学習機会をいただいたことに感謝しつつ、今後も学んだ正しい情報のシェアと、インターネットをよくすることに努めていきたいと思います。
ちなみに私は「困ったときにはまず1次情報!」の精神から、このURLをブックマークバーに登録しています。SEOのことを知りたいとき、まずはこのGoogle公式ドキュメントだけを対象とした site:検索を行うんです。それでもわからなければ他のサイトを参照するという順番を心がけています。こういった用途で使うと site: ってとっても便利ですよね!是非真似してみてください!もちろん、1番上に表示されたURLが1番重要かも~って考え方はポイでお願いしますね。