これ何のためにやってるんだっけ?ってならないようにする、Web広告運用の考え方

広告成果を上げていくために的確な施策を決めて実行していけるようになる広告フレームワークとその使い方について説明します

こんにちは、JADEの小西です。

1/18にセミナーを行いまして、このフレームワークの使い方に関する話をしました。

自分でいうのもなんですがこのフレームワーク自体は良いものと思ってはいるものの、実際に使うイメージまではそう簡単に伝わるものではないだろうとも思っていまして、社外の方にまでどれだけ支持されるものかどうか自信はありませんでした。

そんな中セミナーやってみましたがアンケートで思ってた以上の反応をいただけまして、誰かしらの役に立ちそうだなと実感しました。大変うれしいです。

また続編も予定しています。続編のセミナーからでもお聞きいただきやすいよう、今回のセミナーの一部を書きます。

これ何のためにやってるんだっけ?ってなりがち

広告運用現場で、例えば次のような話をたまに聞きませんでしょうか。

広告グループを分けて配信を改善します

他にも例えば次のような話を聞きませんでしょうか。

  • 「キャンペーンをより適切な粒度で分けます」
  • 「指名キーワードは他のキーワードとわけてキャンペーンを作ります」
  • 「コンバージョンにつながった検索クエリを完全一致キーワードとして登録します」
  • 「部分一致に変えてインプレッション数を上げます」
  • 「自動入札にします」

聞いても「何か良さそうな気はするけども良いのか悪いのか判断つかないしちょっと何言っているかわからない」ともなりませんでしょうか。わからないのは知識がないから?違います、わたしもこれらを聞いただけではよくわかりません、何をどうしたいのかがわかりません。たいていのことはやってはダメというものではないのでそのまま実行され、しかしそのうち、これ何のためにやってるんだっけ?となります。

何のためにやってるんだっけ?ってならないために何が必要か

広告管理画面上で設定を変更したり広告を追加したりということが具体的な作業だとして、それらの作業は、何かを解決し何かしらの結果を目指すために行われるはずです。これは目標、現状、課題、解決策などに分解して表現することができますが、この思考方法を身に着けつつ、広告運用の作業と結果とをこれらにあてはめて考えながら、他人とも誤解なく会話するのはなかなか難易度の高いことです。

次の2つを解決できる何かが欲しいところです。

  • 課題解決思考を持てる
  • 関係者間における共通言語を持てる

そこで便利なフレームワーク「TCBD-VCLA」

何を目指すために何をやるのかを整理し、伝えやすくなるためのフレームワークとしての、TCBD-VCLAです。

次の2つに分類されます。詳しくは冒頭に記しましたリンク先の記事をご覧ください。

TCBD - 設定:広告システムに与える情報

TCBD - 設定:広告システムに与える情報

VCLA - 結果:広告に触れたユーザーの行動

VCLA - 結果:広告に触れたユーザーの行動

TCBD-VCLAで、目指すこととやることを整理できる

例えば冒頭のこちら、

広告グループを分けて配信を改善します

こう言うなら、何を目指していて、そのために何をするのかが、わかります。

地名を含むクエリの掲載位置と表示回数を上げたく、これらのクエリでは高く入札される設定をしたいため、広告グループをわけて目標CPAを上げます

フレームワークに当てはめるとこういうことです。

viewとbid

これは、課題と解決策とに置き換えることができます。

課題と解決策

よく議論するべきことは課題であり、他にもっと適切な課題が見つかれば解決策も変わるかも知れません。

viewかclickか

上記のように課題が変わると具体的な施策は、広告グループは分けずに広告を作るのみとするか、広告カスタマイザかキーワード挿入で対応をするほうが適切かも知れません。

具体的な施策は何がよいかということについてもよく検討するべきですが、それよりはまず適切な課題を見極めることのほうがよっぽど重要です。間違った課題から導き出される施策を実行しても目指すべき結果に近づくことができず、目標が達成できません。

運用担当者でなくともぜひ意識してほしいTCBD-VCLA

広告代理店に依頼している広告主の方や、インハウスの担当者だけど運用はしていない方でも意思決定のために役立ちます。広告運用担当の方の言ってることがよくわからないとき、それは解決策あるいは具体的な施策の話なのか、目指したい結果なのか、よく意識して聞いて、質問してみてください。前者はTCBDのいずれかであり、後者はVCLAのいずれかです。前者については広告システムへの理解と知識がなければできないので、ないのであれば一旦しなくていいと思います。意思決定者にとって最低でも必要なことは、目指すべき方向は間違っていないかどうかを見極めたり意見したりすることです。運用担当者がどんなVCLAを意識しているかを聞き出し、意見し、TCBDはわからないので無視するとしてその後結果として目指すべきVCLAになったかどうかを確認しましょう。入札単価を上げることは設定(Bid)であり目指したい結果ではありませんし、広告やキーワードを追加することも設定(Target)であり目指したい結果ではありません。

あわせて課題探索スキルが重要ではあるけどその話はまた今度

解決策を考える前にまず課題を見極めることがとても重要ですが、課題をきちんと探索するには相当のスキルが必要ですし、このフレームワークだけでできるものではありません

課題探索の方法については続編のセミナーで触れていく予定ですのでぜひご期待ください!

ところで宣伝です

VCLAのうち、広告管理画面では対応できないLandにも向き合えるサービスをリリースしました。ぜひご覧ください。

あとBlueskyやってます。

@isseik.bsky.social on Bluesky