なぜGoogle 広告の「品質スコア」の数値を気にしすぎてはいけないのか

Google 広告の品質スコアはよく理解すれば参考にできるものですが、誤った理解をすると間違った施策をしてしまいます。何の役に立つのか、本当に気にしなければいけないのは何なのか解説します。

こんにちはJADEの小西です。

少し前に品質スコアに関して誤解をしている話題を見かけまして、気になってTwitterでも検索エンジンでも改めて探してみると間違った解釈を書いているところがたくさんあるようです。昔に比べて自分の周囲では聞かなくなった話ですがまだまだ誤解は多いのだろうなと思い、どうしても正しく伝えたくなってこの記事を書きます。

品質スコアを気にしすぎてはいけない理由

広告のオークションに使われるものではないから

品質スコアは、広告オークションにおける評価材料にはなっていません”と公式ヘルプにも書いてあるとおり、これ自体を高めたからといってオークションに勝てるようになったりクリック単価が下がったりするわけではありません。オークションにも影響する別の要素を高めると品質スコアも高まることはあるので、品質スコアは参考指標として使えるものではあるのですがあくまで参考レベルですし、参考にするにしても注意が必要です。

限定的な条件のみで算出されているから

品質スコアは、”完全に同内容の検索に対するインプレッション実績に基づく評価”です。部分一致キーワードの品質スコアは、そのキーワードと完全一致した検索語句のときにしか評価されません。つまり、キーワードに部分一致した検索語句で良い結果が出ていてもそれは加味されません。また、品質スコアは3つの要素のみを考慮して算出されます。これを理解していればそれらの要素自体は参考にできるものですが、実際に広告のオークションに影響する要素はもっと多くて複雑なので、この3つの要素の総合点であるだけの数値である品質スコアはそのまま参考にしやすいものではありません。

品質スコアを高めようとすると無駄な施策をしてしまうから

気にしすぎていけない理由としてはこれが一番のことです。

品質スコアはキーワードに完全一致した検索語句のときのみ評価されるということは、これだけを意識したキーワードと広告の作り方次第で高めることができるということです。例えば、キーワードに部分一致でヒットした検索語句は考慮せずに広告を良いものにしようとしたり、成果は十分に良い部分一致キーワードなのに品質スコアが低いからという理由で停止させて完全一致キーワードをたくさん登録して成果の良い検索語句を十分にカバーできなくなったりということを実施してしまうことになります。品質スコアを高めようという目的で取り組む施策は広告成果を上げるためには基本的に間違った方向に進みます。

ちなみにこれは行き過ぎなレアケースだと思いますが、品質スコアの悪いキーワードがあるとアカウント自体の品質スコアが落ちるから品質スコアの低いキーワードは止めていっているなんていう話も何度か聞いたことがあります。Google 広告はそんな単純な仕組みではありません。果たしてそれはGoogleにとっても広告主にとってもユーザーにとっても良いことなのだろうか?と思えることがあったら冷静になってよく考えて調べてみてください。

上げるべくは「広告の品質」、意識すべきは「広告ランク」

誤解している方が目指すべくは恐らく品質スコアの向上ではなく「広告の品質」の向上です。また、広告オークションの結果を決めることにつなるのが「広告ランク」ですが、これを算出する要素はたくさんあり、「広告の品質」もその「広告ランク」を決めるための、重要ではあるけれどたくさんあるうちの一つの要素、です。

品質スコアを構成する各要素は参考になる

品質スコアは、広告の品質を目安として知ることができる診断ツールです。広告の品質を絶対的に指し示すものではないけれどもそれを構成する一部の要素の結果を知ることのできるものである、と理解すれば、参考にできるものになります。

品質スコアは次の3つの要素から算出されます。

  • 推定クリック率
  • 広告の関連性
  • ランディングページの利便性

この3つの要素の評価もそれぞれおおまかには広告管理画面で確認することができます。

品質スコアの数値自体を参考にするよりも、これらを確認したほうがどこに課題がありそうかを探るヒントとしてとても参考になります。ただしこれらも、あくまで他の広告主に比べてどうかという相対的な評価ではあるので鵜呑みにはしすぎず、ヒントとして使う程度にとどめましょう。

検索ユーザーの関心を惹く、検索意図に応じた広告文を作り、広告をクリックしたユーザーが満足のいくランディングページになっている、という状況を目指しましょう。

すると広告の品質は高まり、結果として品質スコアも高まることが多いことでしょうけれども必ずしも広告パフォーマンスの良さが品質スコアとして現れるとは限りませんし、そこに固執してはいけません。

余計なハックをするか、本質的な施策をするか

正直、品質スコアか広告の品質かみたいな話をするのは些細な言葉の違いの揚げ足取りっぽく聞かれる気がして好きじゃないのですが、実はそんな些細な違いではありません。

Google 広告は、多くの様々な要素を複雑に掛け合わせて結果が出るものであり、そのためハックのしようはほとんどなく、本質的な取り組みができた広告アカウントが勝つ、というところが特に良いところだと個人的に思っています。ハックに注力するか本質的なことに注力するかという違いが、広告を成功させるかどうかに強く関わります。

「品質スコア」はハックのしようがあり、「広告の品質」はハックのしようがありません。

無意味にキーワードやアカウント構造などをこねくり回すのではなく、誰にどんな広告を見せるべきかという本質的なことに注力しましょう。

 

ところで、

最近Twitterで #100日Google広告について何か言う ようにしています。3日くらいで断念しかけましたがなんとか6日続きました。今日の記事のような何かを言ってますのでぜひ。

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