こんにちはあるいはこんばんは。村山(X id:muraweb_net)です。
GA4 内での新機能リリース、アップデートがたくさんありますね。
まるで、有償版であるユニバーサルアナリティクス版の Googleアナリティクス360が終了するタイミングに合わせているようにも思っちゃいますね。ひっそりと数ヶ月前にリリースされた新機能で、「メインのチャネルグループ」があります。
Google アナリティクスの2024 年 2 月 28 日のリリース
今回は追加されたメインのチャネルグループについて紹介していきます。
チャネルグループの機能やメリットと注意点
そもそも GA4 におけるチャネルグループとは何なのか?という方に、チャネルグループの機能や利用した方が良いサイト等をご説明します。
簡易的に記載してしまうのであれば、GA4 で計測された参照元、メディアやキャンペーン別のデータを、 GA4 で仕様として用意された条件や GA4 を利用するユーザーによる任意の条件で、グルーピングして計測することが可能な機能です。
どのようなWebサイトで必要な機能なのか
Webサイトを運用していると、Webサイト内のコンテンツを閲覧するユーザーは数多くの参照元やメディアから流入する可能性が生まれます。Webサイト内にあるURLやコンテンツの種類、Webサイトへの集客施策次第では、数十、数百から数千を超える参照元やメディアの種類数に膨れ上がります。数十、数百から数千種類ある参照元、メディアの組み合わせでは、Webサイトへ流入する集客施策の効果を判断しにくくなってしまいます。
そのため、各集客施策の状態や効果を「データとして判断しやすい粒度にグルーピングできる」のがチャネルグループという機能です。
特に、Webサイトを介してビジネスを行っていた場合、Webサイトへの集客手段としてWebプロモーション施策を行っている可能性が高いと想定されます。施策を行うとWebサイトへ流入する参照元やメディアの種類数が増加しやすく、それぞれの効果をデータとして確認する必要があります。そのためチャネルグループが必要となるケースが多くなります。
一方で、個人ブログのような小さなWebサイトはチャネルグループを利用しなくてもよいケースもあります。なぜなら、Webサイトへ流入する参照元やメディアの種類数が少ないため、参照元やメディア別にデータを確認できるからです。
探索レポートにて参照元やメディア別のデータを確認し、 GA4 でチャネルグループの設定が必要かどうかを判断してみましょう。
GA4 のレポートでセッションの参照元/メディアをディメンションに設定すると、参照元/メディア別でサイトへ流入したセッションのデータが確認できます。
上記のようにデータを確認すると、TOP3の3つの参照元/メディアでセッションもキーイベントも全体の約2/3を占める割合です。しかし、残りの約1/3は他の細かな参照元/メディアで形成されていると言えます。ロングテールは無視できないものですね。
メリットと注意点
チャネルグループのメリットは、前述までのように参照元やメディアをデータ分析者の視点でグルーピングした粒度でデータを確認することができることです。
例えば、検索広告からの流入だったり、ソーシャルメディアからの流入だったりと、Webサイトに流入した際の目的や意図を汲み取った上でWebサイトへ流入した際の参照元やメディア(ときにはキャンペーンなど)をグルーピングできます。
注意点としてはグルーピングする粒度を細かくしすぎない方が良いことです。
各チャネルグループ内のチャネル数としても25個のグループまでしか作成できません。
これはチャネルグループとして設定するグループを細かくしすぎてしまうと、結局はデータとして見にくくなってしまうためでもあります。
多種多様な参照元、メディアやキャンペーンからWebサイトへの流入がある中、大きな流れとしてデータを見たいのに作成したチャネルグループが細かすぎてしまっては、大きな流れとしてのデータとして参考にしにくくなってしまいます。
そのため、分析者の視点でまとまった粒度でのグルーピング定義でチャネルグループを設定する必要があります。プロパティ内のチャネルグループも、無料の GA4 ではデフォルトで用意されているデフォルトチャネルグループ以外に2つのチャネルグループしか作成できないため注意しましょう。
[GA4] カスタム チャネル グループ - アナリティクス ヘルプ
また、1つの参照元、メディアやキャンペーンからの流入を複数のグループに横断してグルーピングできないという制約もあります。
「この参照元からの流入はグループAとグループBのどちらでも計測したいな」と思っても、 GA4 の管理画面で設定した上から順にグルーピングされていきます。
上記は、村山がJADEサイトの GA4 でのセッションを見ながらグルーピングを作成したものです。実施しているWebマーケティングの施策によってWebサイトへ流入するセッションは異なるので、最適なチャネルグループの定義はWebサイトそれぞれで異なると言えます。
もし、「1つの参照元からの流入はグループAとグループBのどちらでも計測したい」といった計測要件が発生した際は、GA4 のチャネルグループだけで解決しようとするのではなく、データをエクスポートした Looker Studio や Tableau などのビジュアライゼーションツール側で複数のディメンションを作成するといった方法で対応することがオススメです。
GA4 メインのチャネルグループ設定方法
GA4 で便利なメインのチャネルグループを設定する方法は、以下のステップがあげられます。
1.カスタムチャネルグループを作成する
GA4 のチャネルグループを設定する方法は、ユニバーサルアナリティクスの時から大きな違いはありません。グルーピングしたい順に、ルールを定義して設定していきましょう。
前述のとおり、グルーピングした定義は上から順に適用されます。
もし、チャネルグループの設定を対応完了したのに意図どおり計測できていない場合は、設定したグルーピングルールを上から順に確認していき、当てはまってしまっているグルーピング定義が存在しないかチェックしていきましょう。
2.メインのチャネルグループを編集する
GA4 ではカスタムで作成したチャネルグループに対して、メインのチャネルグループとして適用する機能が追加されています。
チャネルグループのラジオボタンを変更することで切り替えることが可能です。
上記のような、メインのチャネルグループの編集における注意点は、設定した時点からのデータ反映となることです。 GA4 で計測されているデータに対して、いち早くメインのチャネルグループで計測されるデータを適用したい場合は早めに対応しましょう。
メインのチャネルグループとして適用する前にチャネルグループを作成していても、メインのチャネルグループとして適用していなければデータは反映されません。 作成したチャネルグループ自体は各レポートで利用できます。
しかし、メインのチャネルグループとして適用しないと、 GA4 にてデフォルトで用意されていたチャネルグループがメインのチャネルグループとしてデータが計測され続けます。
上記は、4月8日にメインのチャネルグループを変更したため、それ以降のデータに関しては変更した内容が適用されてデータが計測されています。
メインのチャネルグループを利用できるレポートや機能
GA4 ではメインのチャネルグループをはじめ、作成したカスタムチャネルグループは以下のレポートや機能等で利用できます。
標準のレポート
GA4 で標準に用意されているレポート内のディメンションとして利用できます。
もちろん比較対象の追加やレポートのカスタマイズでも利用することは可能です。
なぜか、現状はライブラリ内のサマリーで表示するカードでは利用できないみたいですが、詳細レポートでは利用できるため、一時的なものかもしれません。
探索レポート
探索レポート内のディメンションでも当然ながら利用可能です。
GA4 の前バージョンである ユニバーサルアナリティクス と違い便利な面としては、セグメントでも作成したカスタムチャネルグループを利用できる点です。
ユニバーサルアナリティクス では、デフォルトチャネルグループを編集しないとセグメントでチャネルグループを利用することはできませんでした。
GA4 ではデフォルトで用意されていたデフォルトチャネルグループ以外で作成したカスタムチャネルグループにおいてもセグメントで利用可能です。
セグメントではメインのチャネルグループは利用できませんが、作成したカスタムチャネルグループが利用可能で非常に便利で強力です。
Looker Studio での GA4 データコネクタ
作成したカスタムチャネルグループ、編集したメインのチャネルグループが Looker Studio の GA4 データコネクタでも利用可能できます。
こちらも、 GA4 の前バージョンである ユニバーサルアナリティクス ではデフォルトチャネルグループしか利用することができませんでした。
一方で、 GA4 のデータコネクタではデフォルトチャネルグループ以外のチャネルグループも利用でき、データを可視化するのに柔軟性が増しています。
森から林、林から木、枝、葉とドリルダウンする視点が重要
GA4 のメインのチャネルグループをはじめとするチャネルグループがどのような機能で、どのようなレポートや設定にて利用できるかイメージいただけたかと思います。
重要なことになるため何度も書かせていただくと、チャネルグループは分析者の視点でグルーピングした粒度でデータを見られる機能です。
GA4 は高機能で細かな粒度のデータも数クリックで閲覧することができてしまいますが、レポートを閲覧する最初から細かな粒度のデータを見ると、重要な変化や流れを見逃してしまいかねません。大きな粒度がすべて良いというわけではありませんが、分析者がWebサイトの特性を考慮し、大局をつかむような粒度でチャネルグループを設定するようにしましょう。
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