【ウェビナー振り返り】そのGA4データ、資産ですか?負債ですか?|人もAIも迷わないイベント設計の基本

GA4のカスタムイベント、なんとなく増やしていませんか。本記事では、AIも人も扱いやすいイベント設計の基本として、4種類のイベントの使い分けや、迷わない命名・管理のルールを、6/18開催ウェビナーの内容からわかりやすくご紹介します。

こんにちは、JADEの郡山です。

GA4のカスタムイベント、皆さんのサイトではどのように管理されていますか?

「とりあえず計測しておこう」とイベントを追加し続けた結果、名前のルールもバラバラで、誰が何のために作ったのかわからないデータが大量に溜まってしまっている……。そんな状態に陥ってはいないでしょうか。

それはもはや、分析に活用できる「資産」ではなく、見た人もAIも混乱させるだけの「負債」かもしれません。

AIの進化によって、データ分析はますます身近なものになりました。しかし、AIという強力なパートナーと仕事を進めるためには、AIに渡すデータそのものが信頼できる状態でなければ、精度の高い分析は期待できませんよね。

2026年6月18日に開催されたウェビナー『今さら聞けないGA4・GTMの基本 第2弾』では、「AIも人も扱いやすいイベント設計の考え方」をテーマに、データが負債化するのを防ぎ、価値ある資産として活用していくための基本をお話しさせていただきました。本記事では、その内容をダイジェストでご紹介します。

この記事を読んでもらえれば、こんなことがわかります

💡なぜ、管理されていないGA4のデータが「負債」になるのか
💡GA4における4種類のイベントの役割と、適切な選び方
💡誰が見ても迷わない、イベント命名と管理のシンプルなルール

 

なぜ今、イベント設計を学ぶべきなのか?

もし、皆さんのGA4に「熟読数」「top-banner」「dl content」といった命名規則の異なるイベントや、「p1」「text_id_2」のような設定者しか意味のわからないディメンションが乱立していたら、どうなるでしょうか。

トップページのバナークリック数を集計しようにも、どのイベント名で検索すればいいかわからず、表記の揺れを一つひとつ確認する羽目になります。これでは、分析を始める前の「データのお掃除」に多大な時間がかかってしまいますよね。

適切に設計されたデータは資産に、無秩序なデータは負債になる

さらに深刻なのは、「昔誰かが実装したらしい」「どこで実装されたかわからない」といった、いわば「何のために、どんな情報を計測しているのかわからないデータ」の存在です。

このような管理されていないデータをAIに渡して分析を依頼しても、AIは文脈を推測するしかありません。誤った解釈に基づいた分析結果を信じて施策を進めてしまうリスクを考えると、とても安心して任せることはできません。

ウェビナーでもこうした「とりあえず計測」を続ける運用には、限界とリスクがあると指摘しました。

データは、目的なく溜まっているだけでは価値を生みません。計測の目的が明確で、誰が見てもその意図を理解できる状態にあって初めて、分析に活用できる「資産」となるのです。

 

GA4イベントの基礎知識:データ構造のおさらい

イベント設計の話に入る前に、GA4の基本的なデータ構造を簡単におさらいしておきましょう。

GA4はウェブサイトに実装されたタグによって、サイトを訪問したユーザーのブラウザ上の行動を「イベント・パラメータ」という形式のデータで計測してくれます。

GA4を使うために実装するGoogle タグや、カスタムイベントを計測するためのタグから送信されるのが「イベント・パラメータ」という形式のデータです。

 

タグから送信されるデータは「イベント・パラメータ」

イベント
GA4がユーザーの行動ひとつひとつを記録するデータが「イベント」です。ページを表示した際に記録する「page_view」などの基本的なイベントの他に、サイトごとに独自に実装するカスタムイベントなど様々な種類のイベントがあります。
パラメータ
各イベントを補足する情報として紐づいているのが「パラメータ」です。例えば、どのURLで記録されたのか判別するための「page_location」など一つのイベントに複数のパラメータがセットで記録されます。

 

管理画面で利用できるデータは「指標・ディメンション」

タグから送信された「イベント・パラメータ」が集計処理されると、GA4の管理画面では「指標・ディメンション」という形式のデータで利用できるようになります。

GA4の管理画面は一見複雑に見えますが、表示されているデータは「ディメンション」と「指標」のたった2種類しかありません。

ディメンション
分析の「切り口」となる文字列のデータ。「どこから来たか(流入経路)」「どのページか(URL)」など。
指標
集計された「数値」のデータ。「何人来たか(ユーザー数)」「滞在時間(エンゲージメント時間)」など。

この「イベントとパラメータが、指標とディメンションになる」という関係性を理解しておくことが、イベント設計の第一歩です。

 

4種類のイベント、どう使い分ける?

さて、ここからが本題です。GA4で扱うイベントは、その性質によって大きく4種類に分類できます。

サイトで独自のデータを計測したいと考えたとき、どの種類のイベントとして設計すべきか。その判断軸を理解しましょう。

  1. 自動収集イベント
    Googleタグを設置するだけで、何もしなくても自動的に計測される基本的なイベントです。「session_start(セッションの開始)」や「first_visit(初回の訪問)」などがこれにあたります。
  2. 拡張計測機能イベント
    これも実装は不要で、GA4の管理画面でオン・オフを切り替えるだけで計測できるイベントです。「scroll(スクロール)」や「file_download(ファイルダウンロード)」など、多くのサイトで共通して計測したいであろうユーザーの行動に適したイベントが用意されています。
  3. 推奨イベント
    Googleが特定の業種や目的に合わせて「このような行動を計測するなら、この名前を使ってください」と事前に定義しているイベントです。例えば、Eコマースサイトであれば商品の閲覧(view_item)や購入(purchase)などがあります。また、資料請求の完了など見込み顧客獲得が目的であれば資料請求(generate_lead)などが用意されています。

    推奨イベントを使う最大のメリットは、Google側もそのデータが「何を表す行動か」を理解してくれる点にあります。これにより、Eコマース向けの専用レポートが利用できたり、「7日以内に購入する可能性が高いユーザー」といった予測データを機械学習で生成してくれたりする恩恵を受けられます。
  4. カスタムイベント
    上記3つのいずれにも当てはまらない、自社サイトならではのKPIなどを計測するために、独自に名前やルールを定義して実装するイベントです。自由度が高い反面、そのイベントが何を意味するのかは、実装した自分たちしか知りません。そのため、後述する適切な管理が不可欠となります。

では、実際に何かを計測したいとき、どのイベントを選べばよいのでしょうか。ウェビナーでは、次のような判断フローを提案しました。

このフローで判断すれば、イベント選びに迷わない

例えば、「資料請求の完了数」を計測したいとします。

① 自動収集イベントで計測できるか? → No
② 拡張計測機能で計測できるか? → No
③ 推奨イベントに適したものがあるか? → Yes。「generate_lead」が該当する。

この場合、カスタムイベントを独自に作るのではなく、推奨イベントである「generate_lead」として実装するのが正解、ということになります。

 

AIも人も迷わない、イベント命名と管理のコツ

イベントの種類を決めたら、次は具体的な実装と管理です。

特にカスタムイベントは、ルールがないとすぐにカオスな状態に陥ってしまいます。誰が見ても、そしてAIが見ても意味を理解できる状態を保つための、シンプルなルールをご紹介します。

命名の基本ルール

イベント名は「どのような情報を記録しているか」かがわかるようにシンプルなルールで名付けるのが大原則です。

さらに、守るべき技術的なルールとして、以下の点を押さえておきましょう。

シンプルなルールを守るだけで、見やすさは格段に向上する
✅ 必須
・半角の英数字とアンダースコア(スネークケース)を使う
・先頭は必ず英字から始める
◎ 推奨
・全体を小文字で統一する
・誰が見てもわかる単語を使う(例:download
✕ NGなこと
・ハイフンやスペースを使う
・数字から始める
・大文字と小文字を混在させる
・意味が伝わりにくい略語を使う(例:dl

イベント名でどんな情報か判別しやすい命名ルールのサンプルパターンの紹介

イベント名をわかりやすく、シンプルなルールで命名しておくとほしいデータを検索・フィルタしやすくなるという利点もあります。

また、文字数制限も重要です。

基本的に、イベント名とパラメータ名は「40文字以内」、パラメータに設定する値は「100文字以内」に収めるようにしましょう。これを超えるとデータが途中でカットされてしまいます。

 

ドキュメントで一元管理する

命名ルールを定めても、そのイベントが「なぜ」「何を」「どこで」計測しているのかという背景情報がなければ、時間とともにブラックボックス化してしまいます。

そこで不可欠なのが、イベントの仕様をまとめた管理ドキュメントです。Excelやスプレッドシートでも構いませんが、ウェビナーではNotionのデータベース機能の活用をおすすめしました。管理すべき項目は、主に以下の5つです。

  1. イベント名view_blogなど
  2. 計測意図:なぜこのイベントを計測するのか(例:ブログ記事の評価指標とするため)
  3. 計測対象:どんなユーザー行動を、どのページで計測するのか(例:ブログ記事ページの閲覧)
  4. パラメータ:紐づけているパラメータはあるか(例:blog_category
  5. 実装ステータス:未実装、検証中、実装済み、停止済みなど

こうしたドキュメントがあれば、担当者が変わっても、誰もがイベントの意図を正確に理解し、継続的にデータを活用していくことができます。

GTMのメモ機能や管理ドキュメントで補足情報を残す

 

AIに整理を手伝ってもらう

「今からドキュメントを作るのは大変……」と感じるかもしれません。そんな時は、AIの力を借りましょう。

GTMは、設定内容をJSONファイルとして書き出す(エクスポートする)機能があります。このファイルをAIに読み込ませ、「このGTMコンテナで設定されているGA4イベントを一覧表にして」とお願いすれば、イベント名やパラメータのたたき台を自動で作成してくれます。

GA4の管理画面でも、レポートごとにCSVやPDFでエクスポートが可能なので同様の手順で整理することが可能です。

AIを活用すれば、ゼロからのドキュメント作成の手間を大幅に削減できる

ゼロから手入力するのに比べて、工数を大幅に削減できます。あとは、人間が「計測意図」などのAIにはわからない情報を追記していけば、効率的に管理体制を整えられます。

 

まとめ:そのデータ、資産ですか?負債ですか?

今回のウェビナーでお伝えしたかったことを、3つのポイントにまとめます。

  1. 目的のないデータ収集から脱却する
    GA4のカスタムイベントは、目的を持って実装・管理されて初めて「資産」になります。意図のわからないデータは、分析を妨げる「負債」です。
  2. シンプルなルールで実装する
    誰が見ても意味がわかる命名規則を定め、チームで運用しましょう。複雑なルールは形骸化します。シンプルで運用しやすいことが何より重要です。
  3. 補足情報と管理ドキュメントで属人化を防ぐ
    なぜそのイベントを計測しているのか、ドキュメントを見れば誰でもわかる状態を作りましょう。これが、データを組織の資産として長く活用していくための鍵となります。

GA4が登場してから時間も経ち、皆さんのサイトにも過去の担当者が残したイベントや、昔の自分がとりあえず設定したイベントが溜まっているのではないでしょうか。

AIと一緒に高速で分析ができる時代になったからこそ、その土台となるデータの健全性を見直すことが、これまで以上に重要になっています。

この記事を読んで、自社のイベント設計を見直すきっかけにしていただけたら幸いです。まずは今日の第一歩として、あなたのGA4にどんなカスタムイベントが設定されているか、その一覧を眺めてみることから始めてみてはいかがでしょうか。

そして、「このイベントは、誰が、何のために作ったのか」と自問してみてください。すぐに答えられないイベントがあれば、それは整理すべき「負債」かもしれません。

 

【7/16(木)開催】ウェビナーのご案内

7/16(木)開催ウェビナー

はじめてのGA4×Claudeデータ分析
AIに指示を出すプロンプトの基本

本記事では、AIにも人にも扱いやすい「イベント設計」の考え方をご紹介しましたが、データの土台が整ったら、次はそれを実際にAIと一緒に使い倒す番です。ただ、いざClaudeにデータを渡してみても「一般論しか返ってこない」「思ったような分析にならない」と感じたことはないでしょうか。その差を生むのは、ツールでも才能でもなく「指示(プロンプト)の出し方」です。

本ウェビナーでは、JADEコンサルタントのわたくし郡山が、自己流でAIを触ってみたけれど手応えがないという方に向けて、ClaudeにGA4データをうまく分析してもらうための「指示の出し方」の基本を、よい指示をつくる5つの要素(タスク・文脈・参照・評価・反復)やコピペで使えるプロンプトの型を交えながら、初心者にもわかりやすくお話しします。

📅 開催概要
  • 日時2026年7月16日(木)14:00〜15:00
  • 登壇郡山 亮(株式会社JADE コンサルタント)
  • 開催方法YouTube Live(限定公開・申込者にURLをお送りします)
  • 参加費無料

▼ 詳しくはこちら

「はじめてのGA4×Claudeデータ分析」、ぜひご参加ください。