
AI検索の時代に何を測り、何を変えるべきなのか。この問いを軸に、2026年7月17日、日比谷三井カンファレンスで「FOUND Conference Tokyo 2026」が開催されました。
主催はDemandSphere。2025年の大手町開催に続き、今年も東京での開催です。オフラインとオンラインのハイブリッド形式で実施され、SEO、AI検索、広告、データ分析、各領域の第一線に立つスピーカーたちが知見を共有しました。前回2025年は参加者の96%が「満足・非常に満足」と回答したとのことで、今回も参加者の期待値は高かったと予想します。そしてその水準にしっかりと応える内容となりました。登壇順に、7つのセッションを振り返ります。
オープニングで次回予告「2027年2月に開催します」

オープニングは主催のお二人、DemandSphereのカントリーマネージャーである室屋武尊氏と、代表のレイ・グリセルフーバー氏が登壇して挨拶。「前回2025年の開催では海外登壇者も加わり大きな盛り上がりを見せた」と振り返ったあと、早くも次回の予告に。FOUND Conference 2027は2027年2月18日(木)・19日(金)の2 days、会場は室町三井ホール&カンファレンスで開催予定。英語と日本語、AIによる同時通訳も用意されるとのこと。Aleyda Solis氏、Amanda King氏、Rand Fishkin氏を含む11名の海外登壇者の参加がすでに確定していると発表され、会場からは歓声が上がりました。今夏の開催は1日のみ、かつ海外勢の登壇もなかっただけに、参加者にとっては嬉しいニュースだったはずです。冒頭から会場の空気が温まり、このあとのセッションへの期待も一気に高まりました。
【セッション1】キーワードの終わり。検索はどこへ向かうのか

オープニングキーノートに立ったのは、ストラクチャー&シグナルズ株式会社の杉原剛さんです。検索広告に24年携わってきた同氏は、2002年のオーバーチュア日本事業立ち上げやGoogleのアドワーズ営業戦略など、検索広告の黎明期を現場で体験してきました。まず2002年当時の検索連動型広告の仕組みを振り返り、キーワードを完全一致で入稿し、手動で何十万件も登録しなければマッチングしなかった時代を紹介。ユーザーの表記ゆれ──たとえば「iPod」ひとつをとっても「i-pod」「あいぽっど」「アイポッド」「愛ポッド」「Ipof」まで、あらゆる崩れ方をします──に対応するため、ひたすらバリエーションを追い続けた経験も語られました。当時は全クエリの15〜20%が新規のものだったといい、こうした揺れに一つひとつ手作業で対応する必要があったそうです。
杉原さんの主張の中心は以下です。「キーワードはもともと、インテントを推し量るプロキシに過ぎなかった。本当に欲しかったのは、その背後にあるインテントだった」。広告運用の歴史は、脱キーワードの歴史でもあります。完全一致から部分一致へ、そして現在の自動入札へ──インテントをAIが判断するこの流れは、実はオーガニック検索よりも早く経験してきたものだといいます。
アメリカのGoogle AIモードを対象とした調査データも引用されました。クエリの長さは従来の3倍、フォローアップ質問は毎月40%増加。マルチターンの対話の中でインテントそのものが形成されていく、従来の検索とは根本的に異なるメカニズムが生まれているとのことです。購買意図がゼロだったユーザーのうち46%が、対話を経て広告配信までに何らかの購買意図を持つに至るというデータも紹介されました。インテントが言葉になる前の段階に入り込める点こそ、AI検索広告の大きな可能性だと杉原さんは語ります。eMarketerの予測では、アメリカのAI広告費は2030年までに680億ドルに達する見込みだそうです。
Googleが推進するユニバーサルコマースプロトコル(UCP)への言及も。AIの中で商品を探し、比較検討し、決済まで完結する──検索とコマースの合体が今後急速に進む可能性があるという指摘でした。
最後に杉原さんが残したのは、こんな言葉です。「変わるのは、インテントが発生する場所と解像度。検索の本質、つまりインテントを充足させる仕組みは、テクノロジーが変わっても揺るがない」。そしてもう一言。「インテントに向き合い続けてきたマーケターは、AIがインテントを生成する時代にあっても活躍できる」。
【セッション2】AIで検索って変わるの? コガン・金谷のSEO言いたい放題

続くセッションに登壇したのは、アユダンテ株式会社のコガン・ポリーナさんと、株式会社Digital Evangelist代表の金谷武明さん。「言いたい放題」と銘打たれた通り、忖度のないディスカッションが展開されました。アユダンテでSEOとアナリティクスコンサルティングを担当するコガンさんと、Google出身で現在は日本経済大学の教員も務める金谷さんが、業界の当たり前に対して冷静なメスを入れていきます。
コガンさんはまず、AIに対する一般ユーザーの視点として、アメリカの調査データを提示。約80%のユーザーがAIについて何らかの懸念を持ち、「AIはいいことより悪いことが多い」と回答した人が半数を超えるといいます。ニューヨーク州だけで、2026年のAI関連の法整備・規制の動きが250件近くにのぼるという地図データも示されました。全米46州にまたがる関連文書は、あわせて1,824件にのぼるといいます。LLMの利用については、OpenAIの公式データを引用し、2025年から2026年にかけての伸び率がアジア・アフリカに比べてヨーロッパ・アメリカでは相対的に低いことを紹介。「皆さんの周りにはAIを理解している方が多いが、世界全体ではAIアンチが実は多く、5年先は全く読めない」とコガンさんは言います。
Googleが公開しているAI生成機能向けの最適化ドキュメントにも言及がありました。Googleの公式見解は「AEOやGEOはSEOの延長であり特別にやるべきことはない、llms.txtの作成のような戦術も無視してよい」というもの。金谷さんは、LLM経由の流入について「さじ加減をいじっている段階の相手のデータをどう読むかが難しい」と述べたうえで、Googleが公開した情報によれば検索からの高品質なクリックは増えているかもしれず、AI検索で深く調べたうえでサイトに来てくれるユーザーの存在に注目すべきではないか、という見方を示しました。アユダンテのクライアントデータでは、一時期AIからの流入が急増したサイトで直近は大幅に下落しているケースも紹介されています。どこに力とお金を入れるか、慎重にサイトごとに考えるべきで、GEOやAEOよりも今でもはるかに大きいGoogleの流入を最大化することが先決ではないか──コガンさんはそう締めくくりました。
【セッション3】実データで見る生成AIの参照元

セッション3では、JADEの篠原誠が「自社サイトがAIに出てこない」という漠然とした不安に、実測データで切り込みました。YouTubeが強いと聞けばYouTubeを開始し、あのプラットフォームが強いと聞けばそこにコンテンツを書き、比較サイトが強いと聞けば掲載を検討する──情報が次々と入ってきて頭が混乱してしまう状態に対し「ちょ待てよ、冷静になろう」というのがこのセッションの趣旨だと述べ、DemandSphereのデータを使った分析結果を提示していきます。
32ジャンルにわたるプロンプトをChatGPT、Google AIモード、Gemini、Perplexityの4つに投げ、どのサイトがどの程度引用されているかを直近3か月分集計したところ、いくつかの特徴が浮かび上がったといいます。ChatGPTは直近でRedditの引用が増加傾向にあり、ただし全ジャンルではなく特定カテゴリーに集中している可能性が高いとのこと。5月以降にリンクの表示が増えたサイトもありましたが、これはUIの仕様変更による影響と見られ、UIが変わると流入が増減するため定点観測が重要だと篠原は指摘します。Google AIモードは、YouTubeやGoogleビジネスプロフィール、Googleショッピングの商品情報などGoogle関連サービスへのリンクが目立ち、ホテル検索ではGoogleビジネスプロフィールの枠が、フライト検索ではGoogleフライトの枠が表示される傾向があるといいます。Geminiはそもそもリンクの表示数が他に比べて極端に少なく、GoogleのURLが参照された場合でも検索結果ページへ誘導するという独特の挙動が見られるそうです。「Gemini、全然リンク出してこないんですよね」という率直な一言が、会場の笑いを誘いました。
篠原はまず現状把握から始めることをすすめます。GA4のAIアシスタントセッションを定点観測すること。ボットがサイトを発見・クロール・インデックスできる状態にあるかを確認すること。購買行動の各フェーズでどのプロンプトに引用されているかを、検索ジャーニーに沿って計測すること。この3つが、今すぐできるアクションとして挙げられました。仮にNG行為をやったとき、Googleはサーチコンソールで警告を送ってくれますが、ChatGPTなどのAIにはそういう窓口がなく、気づかないまま全然出てこなくなる可能性があると篠原は締めくくりました。
セッションの最後には、この3つのアクションをそのまま実務に落とし込むサービスとして、JADEがDemandSphereと共同開発した「AI SEO診断 Plus」がこの場で発表されました。AIボットのクロールログ分析、対話型AIでの言及・引用状況、AI Overviewsでの採用状況、AIの影響による流入変化という4つの切り口で現状を診断したうえで、DemandSphereの検索データ基盤を使って表出状況を継続的にモニタリングする仕組みです。診断は一度きりで終わらせず、変化を追い続けられる状態を作ることが狙いだと篠原は言います。サービスの詳細はこちらの記事でご確認ください。
【AI SEO 診断 Plusについてはこちらからどうぞ】
【セッション4】「AIと人に選ばれる」ブランドは何をしている?

株式会社LANYの竹内渓太さんと、株式会社オプトの中村駿介さんが登壇したのは、AIと人に選ばれるブランドについてです。前半を担当した竹内さんは、LLMがどのように推薦ブランドを決めているかのプロセスを解説。AIが回答を生成する際のフローは、ユーザーのプロンプト入力から始まり、複数の検索を並列実行するクエリファンアウト、RAGによる情報収集、そして回答生成という順で進みます。これを踏まえ、AIに選ばれるためのアプローチを3つに整理しました。
ひとつは今ある基準の中で勝つアプローチ。AIが何を選定基準にしているかを推察し、自社の強みをオウンドメディアやアーンドメディア、ペイドメディアなど参照される媒体に配置して学習させます。もうひとつは基準そのものを変えにいくアプローチで、自社の強みがAIの選定基準とずれている場合、戦略PRによって選定基準そのものを塗り替えていきます。竹内さんが例に挙げたのは、アリエールが「部屋干し臭には除菌」という訴求で洗剤の評価軸自体を作り変えた事例でした。3つめは入口となるペインを言語化するアプローチで、潜在的なペインをキーワード化し、そのペインに気づいた人が自社の解決策に到達できるようにします。「人間の脳だけでなく、AIの脳みそもPRの対象になる時代が来ている」──この言葉が印象的でした。
後半は中村さんが、女性アパレルブランド23区のブランドリポジショニング事例を紹介します。「着膨れ通勤」というペインワードと「遊勤コーデ」というソリューションワードを開発し、オリンピック選手をキャスティングしたイベントPRやインフルエンサー施策を組み合わせた結果、売上と新規会員数はともに前年比130%を超えて伸びました。検索広告でも、遊勤コーデという新しく作った言葉が、通勤ダウンコートなどの既存ビッグワードをCTRで2倍上回るという構造変化が起きたといいます。しかし、AIに「仕事にもプライベートにも使えるおすすめの女性アパレルブランド」と質問すると、23区は出てきませんでした。人を動かすことはできたが、AIの参照面を磨ききれていなかった。オウンドメディアの説明文がアパレルらしい柔らかい表現になっており、AIのプロンプトと整合していなかったのだと中村さんは分析します。
このセッションの結論は、人のためにコンテンツを作ることと、AIが参照しやすい形で資産として残すことは別の設計だという点にあります。つくるだけでは足りず、残す設計がなければAIには選ばれません。この2軸を同時に設計することが、今後のマーケティングの鍵になる──そんな指摘で締めくくられました。
【セッション5】AI検索時代にマーケ施策をどう評価する? Claude×MMM

株式会社秤の小川貴史さんは、「お酒は飲んでいませんよ」と断りながら、「MMMは簡単だ」というフレーズを繰り返します。MMMとはマーケティング・ミックス・モデリングのことで、複数施策が同時に実施されている状況下で各施策の効果を定量化し、予算最適化に落とし込む分析手法。回帰分析を基礎とし、広告費などの説明変数が売上などの目的変数をどれだけ説明できるかを計測します。「難しい」「何千万何億円かかる」「やると予算が減る」というイメージがつきまといますが、小川さんはいずれも誤解だと断言しました。
2013年に電通のダイレクトマーケティング会社でMMMを始め、2020年に独立した小川さんは、これまでに年間予算50億、100億、150億規模のMMM分析を数多く手掛けてきたそう。従来、1商品のMMM分析には約5時間の作業時間が必要でした。データの取得と重み付け、CMのメタデータ整形、Meta社のRobynを使ったモデリング、試行錯誤による修正──これらすべてに時間がかかっていたそうです。今ではClaudeの活用により、この作業が約10分に短縮されたといいます。Claudeの高額プランで毎日データを自動取得し、GoogleスプレッドシートにためておけばClaudeが勝手に毎週モデリングしてくれる、Pythonのコードが何十万文字もプロジェクトの中に入っている状態で使えるとのこと。
韓国のFMCGブランドではMMMチームが20名いて毎週MMMを実施するのが当たり前だと紹介し、「グローバル水準の分析が日本のマーケターにも使えるようになった」と小川さんは言います。東京にある足立慶友整形外科の事例も紹介されました。この整形外科は患者の大半がオンライン予約を使わずに直接来院するため、デジタル広告の計測が事実上機能せず、MMMが唯一の効果測定手段になっているといいます。このクリニックでMMMを月次で回しているのは理学療法士の方で、マーケティング知識もデータ分析知識もゼロの人が毎月MMMをやっているとのこと。別の事例として、LINEのメッセージ配信が売上の一定割合を説明しているという分析結果も紹介され、「1,000万円ぐらいの貢献かと思っていたら7億円でした、みたいな話は珍しくない」と語られました。
セッション終盤では、AI検索時代におけるMMMへの影響にも話が及びます。従来、MMMでは指名検索数が中間変数として重要な役割を担っていました。テレビCMの直接的な来場効果は見えなくても、指名検索を経由した影響は測定できたからです。しかし、AI検索の普及によって指名検索的なアクションがAIへのプロンプト入力に置き換わっていくとすれば、サーチコンソールで取得できるデータが意味を失っていく可能性があります。「2年後にはMMMの予測精度に大きく関わる問題になると思っている。データの取り方や整形の仕方を今から本気で考えなければいけない」と小川さんは指摘しました。
【セッション6】AIペルソナで紐解くMulti-turn Conversation

電通デジタルの地元昇太さん、四本松太郎さん、稲垣昌輝さんの3名は、「1ターン目のAI回答だけで評価してよいのか」という問いかけから、AIペルソナを使った複数ターンの対話分析を報告します。電通グループが開発したピープルモデルは、半年に1回15万人を対象に行う実際の調査データをもとにLLMをファインチューニングしたもの。プロンプトで作ったペルソナではなく、実際の日本人の消費者行動に基づいたペルソナ群が構築されています。今回の調査では、シューズと旅行、ホテルの2カテゴリーで各100体のペルソナを抽出し、共通の初回プロンプトを投げた後の5ターンの対話を分析しました。
会話を重ねるごとに、ペルソナは検索窓には打ち込まないような個人的な悩みや身体的な状況を打ち明け始めます。「実は」という言葉を使って個人的な事情を話し出したペルソナは、シューズで100人中37人。1ターン目の平均入力文字数は21文字だったのに対し、2ターン目以降の累積文字数は平均379文字に達しました。マーケターがあまり把握しきれていない粒度で、悩みや要望が言語化されていく──というのが電通デジタルの分析です。
もっとも注目を集めたのは、ブランド推薦が会話を重ねるほど大きく入れ替わるというデータでした。シューズカテゴリーで1ターン目に推薦された上位4ブランドのうち、5ターン目まで生き残ったブランドの最大残存率は49%。ホテルカテゴリーでは、1ターン目の上位4ホテルが5ターン目に残存した最大残存率は12%にとどまりました。シューズでは5ターン目までに、84%のペルソナが当初の上位4ブランド以外のブランドに言及していたといいます。会話を重ねるほど、台風リスクや子連れ事情、個人的な好みなどの文脈が追加され、当初は関係なかった競合要素が浮上することもあります。9月の沖縄旅行では、最終的な競合が他のホテルではなく台風だった、というケースも示されました。ホテルでは2ターン目に指名質問をするペルソナが4人だったのに対し、3ターン目には28人に増えるという傾向も報告されています。意思決定は単一の回答で行われるのではなく、対話の中で行われるもの。AIに最初に推薦されることも重要ですが、会話の流れの中で選ばれ続けるための設計こそが不可欠と、発表を終えました。
【セッション7(クロージングキーノート)】検索の30年、SEOの次の10年

クロージングキーノートに立ったのは、合同会社DMM.comの渡辺隆広さんです。「AIに聞けばよかったのに、なぜ皆さん今日ここに来たのか」──そんな問いかけで始まった講演は、30年間の検索史を俯瞰する内容になりました。渡辺さんは、検索エンジンが乱立し、インデックス更新に45日から60日かかり、会社名で検索しても公式サイトが出てこなかった時代を振り返ります。この状況は今のAI検索が抱える課題と構造が同じだといいます。当時は計測手法がなく、完璧な検索エンジンもなく、乱立する手法の中で何が正解か分からなかった。現在は、AI経由の成果計測が困難で、LLMやGEOなど呼び名が乱立し、何が正解か分からない。「同じ構造がそのまま繰り返されている」というのが渡辺さんの指摘です。
渡辺さんはDMMの実データをもとに、観測期間55日間でユーザーの出口が3種類に分かれることを示しました。AIで完結する出口、いわゆる「ゼロクリック」。AIで聞いた後に自分でサイトを検索して訪問する「確かめ検索」。そしてAIの回答内のリンクをクリックしてサイトを訪問する「詳細確認」です。「世の中がゼロクリックだと騒いでいても、皆さんの会社の状況とは関係ない。自分のサイトが今どうなっているかを確認してください」と渡辺さんは言います。情報系コンテンツは1つめの出口になりやすく、購買や申込などのトランザクションが発生するページは2つめ、3つめの出口になりやすい傾向がデータから見て取れるとのこと。どの出口になるかを規定する変数を渡辺さんは挙げました。AIの回答で十分満足できるか。誰が言っても同じか、その人が言うから価値があるか。情報取得が目的か、それとも情報取得はその先の行動への仮定に過ぎないか。
渡辺さんはGEOやLLM最適化といった新しい概念について、基本的にSEOの一部だと認識しているとした一方、ラベルを貼り替えることにビジネス上の意味があることも認めました。「小手先のテクニックは賽の河原の石積み。Googleがやってきては崩される繰り返しです」。会社の経営資源をどこに配分するかという観点では、オンラインにおける事業活動の記録や評判構築に投資するほうを選ぶと述べています。検索の30年はスパムを潰し本物を評価する方向に進んできたのであり、AI検索も同じ道を進むはずだと渡辺さんは言います。最後にこう締めくくりました。「検索の本質は変わっていない。ユーザーと情報をクエリを介してマッチングさせる技術。AIが賢くなればなるほど、本物が有利になる。重要なのは、AIに引用されることではなく、人に信頼されることだ」。「1周目」も「2周目」も知り尽くしているからこそ語れる内容に、会場中からあふれる満足感が見て取れました。
クロージング
全セッション終了後、DemandSphereの室屋氏とレイ氏がクロージング挨拶に再登壇。検索は人間がすることなので、技術に関係なく人間がこれからどう検索するかに会社が適応するしかない、と語られました。この日の登壇者の方向性はそれぞれ異なりましたが、共通しているのは、世間の論調をそのまま受け取らず、自社のデータに立ち返って判断するという姿勢でした。渡辺さんの「3つの出口」も、篠原の「3つのアクション」も、根っこにあるのは同じシンプルな原則だと感じます。対策を選ぶ前に、まず自社に今何が起きているかを正確に知ること。AI検索という新しい変数が増えても、この原則だけは変わらないようです。
アーカイブ視聴・来年の参加について
当日参加できなかった方に向けて、アーカイブ視聴の申し込みが受け付けられています(7/31まで)。申し込みはこちらから行え、配信の準備が整い次第、視聴用リンクがメールで届きます。イベントの詳細はFOUND Conference公式サイトで確認できます。
本文でも書いた通り、来年のFOUND Conference 2027は、2027年2月18日・19日の2日間、室町三井ホール&カンファレンスでの開催が決定しています。Aleyda Solis氏、Amanda King氏、Rand Fishkin氏をはじめとする11名の海外登壇者を迎え、日英同時AI通訳のもとで実施される予定です。国内市場を深掘りした今回に続き、より国際色の強い舞台になるのが楽しみです。
以上、FOUND Conferenceを振り返りました。次回もまたとないインプットの機会になるのは間違いなさそうです。楽しみに待ちましょう。