【ウェビナー振り返り】おさえておきたいGA4・GTMの基本|AIだけでデータ分析を進めないための必須知識

AIにデータ分析を任せる前に押さえておきたいGA4・GTMの基礎知識を、ウェビナーの内容をもとに解説します。データ計測の仕組みから、初心者でも試せるAI活用の3ステップまで、土台となる知識を整理してお届けします。

こんにちは、JADEの郡山です。

GeminiやClaudeといったAIの進化により、データ分析のあり方が大きく変わろうとしています。 これまで専門知識が必要だった作業も、AIに「これ分析しといて」と頼めば、瞬時に結果が出てくる時代がすぐそこまで来ています。

しかし、AIが提示した分析結果を前にして、「この数字、本当に信じていいんだっけ?」「どういう仕組みでこのデータは集まっているんだろう?」と不安に感じたことはありませんか。

AIという強力なパートナーと安心して仕事を進めるためには、AIを使うユーザー側が適切な判断をするための「基礎知識」を身に着けておく必要がありますよね。

2026年5月21日に開催されたウェビナー『今さら聞けないGA4・GTMの基本』では、AI時代だからこそ知っておきたい必須知識をテーマにお話しさせていただきました。本記事では、その内容をダイジェストでご紹介します。

この記事を読んでもらえれば、こんなことがわかります

💡AI時代だからこそ押さえておきたい、GA4・GTMの基礎知識
💡イベント・パラメータ・ディメンション・指標の関係と、データが流れる仕組み
💡初心者でも今日から試せる、AI活用の3ステップ

 

なぜ今、基礎知識を学ぶべきなのか?

AIの登場でデータ分析の風景は一変しました。

AIが分析に必要なデータを取得できれば、集計時間をぐっと短縮して、分析の相談相手になってくれます。

しかし、スピーディに分析ができるようになった反面、出力される内容を信頼してWebマーケティング施策を推進していくためには「AIに取得させるデータが信頼できる精度であり、AIがどんな集計をしているか理解・判断する」という役割を人間が担う必要があります。

扱うデータや集計方法が適切か判断はできないけど、とにかくAIが提示したネクストアクションを高速で実行していく…という現場って怖いですよね。AIと一緒に並走できるように、基礎知識を身につけておく重要性が高まっているのです。

 

AI活用手法の主な3パターンとは

これまではGA4の管理画面とにらめっこしながら、手作業でレポートを作成し、集計・分析に取り組むのが当たり前でした。この方法では、データの収集やレポート作成に多くの時間がかかり、肝心の「分析」や「戦略立案」に十分な時間を割けないという課題がありました。

しかし今はどうでしょう。

AIが自らデータ取得できる環境をまだ構築できてない場合は、GA4管理画面からCSVやPDFを手動でダウンロードして、Claudeなどに渡すことで部分的なAI活用をすることが可能です。

さらにAPIを直接利用できるようにMCPサーバーを導入すれば、「先月の調子どう?」と聞くだけで、AIが自動でデータを集計し、状況を教えてくれるようになります。

 

AIがデータ収集やレポート作成を高速で代行してくれるようになれば、私たちは「分析」や「判断」、そしてチームでの「議論」といった、より本質的な業務に時間を使えるようになります。

ただ、ここで一つ問題が生まれます。 AIが高速で弾き出した分析結果を、私たちは自信を持って「正しい」と判断できるでしょうか。

「よくわからないけど、AIがすごい勢いで提案してくれたからやってみよう」では、上司を説得することも、安心して施策を推進することもできませんよね。

AIが提示するデータを信頼し、自信を持って次のアクションにつなげる。そのために、GA4やGTMが「どのようにデータを計測しているのか」「どのような集計を行っているか」という土台の知識が必要になるのです。

今回のウェビナーでは「どのようにデータを計測しているのか」という部分についてお話していきます。

 

GA4の基礎知識:データはどうやって集められている?

GA4の話をする前に、少しだけウェブサイトの基本的な仕組みに触れておきましょう。 私たちが普段ブラウザで見ているウェブサイトは、非常にざっくり言うと、3つのパーツでできています。

HTML文字や画像の配置を決める「骨格」の部分
CSSフォントや色、サイズなどを決める「装飾」の部分
JavaScriptクリックやスクロールといった動きに応じて処理を行う「機能」の部分

この3つのパーツがレゴブロックのように組み合わさって、一つのウェブサイトが成り立っています。新入社員が入社したビルに例えるなら、HTMLは「何階建てか、どんな間取りか」という鉄筋コンクリートの骨組み、CSSは「おしゃれなインテリア」などの内装、そしてJavaScriptは「社員証をかざすとドアが開く」といった動的な機能にあたります。

さて、ここからが本題です。 GA4でデータを計測するためにウェブサイトに埋め込む「タグ」とは、実はこの「JavaScript」のことなのです。

 

ページが開かれたり、クリックされたりすると、このタグ(JavaScript)が作動し、「1ページビューです」「一人のユーザーが来ました」といった情報をGoogleのサーバーに送信します。サーバーでデータが処理され、整理された形で見られるのが、私たちが普段使っているGA4の管理画面というわけです。

 

GA4のデータはたった2種類

管理画面を見ると複雑に感じるかもしれませんが、GA4の基本的なデータは「ディメンション」と「指標」のたった2種類しかありません。

ディメンション
分析の「切り口」となる文字列のデータ。「どこから来たか(流入経路)」「どのページか(URL)」など。
指標
集計される「数値」のデータ。「何人来たか(ユーザー数)」「滞在時間(エンゲージメント時間)」「直帰率」など。

GA4は、この2つのパーツを掛け合わせて集計を行うツールなのです。

 

もう少し詳しく見ると、タグからサーバーにデータが送られる段階では、「イベント」という形式で送信されています。

 

例えば「ページが表示された」というpage_viewイベントに、「どのページか(page_location)」や「ページのタイトルは何か(page_title)」といった補足情報(パラメータ)が紐づいて送られるイメージです。

「イベント」と「パラメータ」がサーバーで処理されることで、私たちが管理画面で見やすい「ディメンション」と「指標」に記録されているのです。

「指標」と「ディメンション」はサーバーから届いた情報の受け皿になっているんですね。

 

APIとMCPでGA4のデータを外部で活用する

最近では、GA4の管理画面を使わずに外部のツールでデータを活用する機会が増えています。その中心的な技術が「API」と「MCP」です。

API(Application Programming Interface)
APIとは、プログラム同士をつなぐ「接点」として機能するものです。GA4においては、集計したいデータをスプレッドシートのGASやデータポータルでリクエストするものや、プロパティの設定を取得するものなどがあります。
MCP(Model-Centric Programming)
AIがAPIを自由に使うための「窓口」となる機能です。例えば、AIに「このGA4プロパティの先月の実績をまとめて」といった自然言語で指示を出すと、MCP経由でAPIを実行してAIが自動でデータ集計を行うことができます。

MCPサーバーを構築すれば、AIに自然言語で「先月のコンバージョン数は?」と話しかけるだけで、AIが自動的にAPIを実行し、集計結果を返してくれます。

私たちがCSVを手渡ししなくても、AI自身が必要なデータを取ってきてくれるのです。

 

 

GTMの基礎知識:タグ管理を効率化するパートナー

次に、GA4とセットで語られることの多いGTM(Googleタグマネージャー)について見ていきましょう。

GTMは、その名の通り、GA4や広告など様々な「タグ」を管理してくれるツールです。

GTMがない場合、新しいタグを追加するたびに開発者に依頼して、HTMLソースコードを直接編集してもらう必要がありました。これは手間がかかる上、ミスも起こりやすい作業です。

一方、GTMを導入すれば、GTMの管理画面上でマウスを操作するだけで、タグの追加や編集、一時停止などが簡単に行えます。ソースコードを直接触る必要がないため、運用がスムーズになり、運用トラブルが発生するリスクも減らせます。

 

GTMでGA4を計測するための2つのタグ

GTMを使ってGA4の計測を行う場合、主に2種類のタグを設定します。

Googleタグ
GA4計測の基本となるタグ。ページビューやセッション開始など、基本的なイベントをまとめて計測します。ウェブサイトに1つだけ設置するのが原則で、全ての計測の土台となります。
イベントタグ
バナークリックや問い合わせ完了など、サイト独自の目標(KPI)を計測するためのカスタムイベントを送るために主に利用されるタグです。Googleタグが配信された後に、任意のタイミングで配信します。

 

 

GTMとGA4の連携で注意すべき点

GTMでカスタムイベントを設定する際には、一つ重要なポイントがあります。

例えば、「ブログ記事のカテゴリー」を計測したいと考え、GTMでblog_categoryというパラメータを持つイベントタグを設定したとします。これでGTM側の設定は完了ですが、実はこれだけではデータは記録されません。

なぜなら、送られてきたblog_categoryというパラメータを受け取るための「受け皿」がGA4側に用意されていないからです。

GTMで新しいパラメータを送るように設定したら、必ずGA4の管理画面で「カスタム定義」から、そのパラメータを記録するための「カスタムディメンション」を登録する必要があります。この「送る側(GTM)」と「受け取る側(GA4)」の両方の設定が揃って、初めてデータが正しく計測されるのです。

 

 

AI活用の基礎知識:分析を高速化する3つのステップ

GA4とGTMの基礎を理解した上で、いよいよAI活用の話に入ります。

AIをデータ分析の味方につけることで、デバイス別のコンバージョンレートの算出や、先週との変化点の発見、設定ミスのチェック、さらには施策の壁打ちまで、様々な作業を高速化できます。

 

とはいえ、いきなりMCPサーバーを構築するのはハードルが高いかもしれません。そこで、初心者でもすぐに試せる3つのステップをご紹介します。

 

 

  1. 手動でデータをAIに渡してみる
    まずは、GA4の管理画面からレポートをCSV形式でダウンロードし、それをClaudeやGeminiにアップロードしてみましょう。「このデータからわかる傾向をまとめて」とお願いするだけで、AIが簡単なレポートを作成してくれます。大切なのは、まず「体験してみる」ことです。AIにデータを渡すと何をしてくれるのかを知ることで、自分の中に活用のイメージが湧いてきます。
  2. 設定の「健康診断」をしてもらう
    AIの扱いに慣れてきたら、MCPの導入などを検討し、より高度な活用に進みます。最初におすすめなのは、現在使っているGA4やGTMの設定に問題がないか、AIに「健康診断」をしてもらうことです。「このデータは本当に信じていいのか?」という根本的な不安を解消するため、まずは足元を固めましょう。AIが設定の不備や改善点を指摘してくれるので、安心して分析に取り組めるようになります。
  3. 「プロジェクト型」でAIを育てる
    さらに進むと、サイトの文脈をAIに学習させる「プロジェクト型」の運用が可能になります。「うちのサイトはECサイトで、こういうユーザーがよく来ます」といった情報をあらかじめAIに覚えさせておくことで、都度説明しなくても、文脈を理解した上で精度の高い分析を行ってくれるようになります。AIを自分専用の優秀な分析パートナーとして育てていくイメージです。

 

まとめ:AI時代のコンパスを手に入れよう

今回のウェビナーでお伝えしたかったことを、3つのポイントにまとめます。

 

 

  1. 基礎知識はAI時代の「コンパス」
    AIがどれだけ進化しても、「データがどうやって集められているか」という仕組みの理解は、判断の拠り所となります。ブラックボックスのままAIを使い続けるのではなく、仕組みを理解することで、自信を持ってAIを使いこなせます。このデータってなんだっけ、こういうデータを追加で計測してAIに分析してほしいんだけどどうすればいいんだ?と迷うことがないようにしたいですね。
  2. GA4/GTMの構造を掴む
    「イベントとパラメータが飛んで、ディメンションと指標になる」「GTMで送る設定をしたら、GA4で受け皿を作る」といったデータの流れを理解しておくことで、トラブルシューティングや設定の最適化がスムーズに進みます。
  3. AI活用で分析を「変革」する
    まずは手動でのデータ渡しから始め、徐々にMCPやBigQueryといった高度な連携へステップアップしていきましょう。集計やレポート作成といった作業をAIに任せることで、人間はより創造的な業務に集中できるようになります。

 

AIの活用は、もはや特別なことではありません。しかし、その力を最大限に引き出すためには、土台となる知識が不可欠です。

この記事を読んで、少しでもGA4やGTMの仕組みに興味を持っていただけたら幸いです。

まずは今日の第一歩として、あなたのサイトのGA4管理画面からCSVを一つダウンロードし、AIに「このデータ、どう思う?」と話しかけてみてはいかがでしょうか。

目的に沿ったデータを計測して、AIに渡して、示唆を得る。

そこから、新しい分析の世界が始まるかもしれません。

 

【6/18(木)開催】ウェビナーのご案内

6/18(木)開催ウェビナー

今さら聞けないGA4・GTMの基本 第2弾
AIも人も扱いやすいイベント設計の考え方

本記事では、AIにデータ分析を頼むための「土台となる基礎知識」をご紹介しましたが、その土台の上で次に問われるのが「そもそも、何を・どう計測するか」という設計の話です。イベントを「とりあえず取る」だけでは、AIに分析を頼んでも意味のあるアウトプットは返ってきません。後から人もAIも解釈できるデータをどう設計するか、その判断基準を持つことが、AI時代の分析の質を大きく左右します。

本ウェビナーでは、JADEコンサルタントのわたくし郡山が、GA4の3つのイベント(標準・推奨・カスタム)の使い分けから、ページ閲覧・クリック・スクロール・インプレッションといった代表的なカスタムイベントの設計の考え方まで、体系的にお話しします。

📅 開催概要
  • 日時2026年6月18日(木)14:00〜15:00
  • 登壇郡山 亮(株式会社JADE コンサルタント)
  • 開催方法YouTube Live(限定公開・申込者にURLをお送りします)
  • 参加費無料

▼ 詳しくはこちら

「基礎を理解する」の次の一歩として、ぜひご参加ください。