アイルランドのダブリンで、Googleのグローバルサミット(PES25 DUBLIN)に参加してきました

「正しい情報を届けたい」。その想いから始めた、公式ヘルプコミュニティでの回答活動。気づけば世界中のエキスパートが集うダブリンへ。PES参加までの道のりと、コロナ後に大きく変わった海外カンファレンスの今を村山佑介がレポートします。

こんにちはあるいはこんばんは。村山(X id:muraweb_net)です。

2025年10月9日(木)〜10月10日(金)にアイルランドのダブリンで開催された Google のProduct Experts Summit (PES)25 DUBLINへ参加してきました。 世界中のプロダクトエキスパートが集う、グローバルサミットです。Google とのNDAによりイベント内容は完全にはシェア不可能ですが、PES以外での国外イベント参加やダブリンで感じたことを書き残しておこうと思います。

 

この記事でこんなことを知ってもらえればと思います

💡 完全招待制「PES」と、「プロダクトエキスパート」の条件

💡 グローバルPESと地域別PESの違い、実際のサミット体験

💡 2025年の海外カンファレンス事情

 

そもそもPESとは?

誰が行けるのか

PESは完全招待制です。 Google 製品(プロダクト)ごとに概ね用意されている公式ヘルプコミュニティでの「プロダクトエキスパートプログラム」に参加し、その公式ヘルプコミュニティ内で優れた貢献者であるプロダクトエキスパート(PE)が招待されます。

プロダクト エキスパート プログラムとは

support.google.com

PEも貢献度に応じてステータスが別れています。貢献度が低い順にブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナ、ダイヤモンドと5段階のステータスがあります。

今回のPESでは、基本的に上位2つのダイヤモンドとプラチナのPEがオフライン参加での対象PEとなりました。

 

PESでは何が行われるのか

PESではPEに対して下記のようなことが行われます。

  • 新機能や製品情報の共有:発表前の新機能やロードマップなどをテーマ別のセッションでシェアしてもらえます。
  • Google プロダクトチームとの交流:Google のプロダクトマネージャーやエンジニアと直接話せます。
  • PEからのフィードバック:プロダクトの改善点や課題を、 Google の関係者へ伝えられます。
  • 他PEとの交流:日本国内の他プロダクトでのPEや、同じプロダクトの海外PEと情報交換できます。

なぜダブリンで開催されたのか

PESは年単位で行われています。年に一度、世界各地で対面での開催となるか、オンラインで開催されています。

  • グローバル:世界中のPEが集合する大規模なPESです。
  • 地域別:地域別のPEが集合して行われます。日本はAPACに含まれ、APAC内のどこかの国でPESが開催されます。
  • オンライン形式:新型コロナウイルスにおけるコロナ禍でオンライン形式で開催されました。現在ではオフライン開催場所での参加が難しいPEや、ゴールド以下のPEがオフラインと併用される形式で、PES@HOME として開催されています。

今年、2025年はグローバルでのPESとなりアイルランドのダブリンで開催されました。昨年、2024年は地域別でのPESとなり日本のPEはインドで開催されたPESに参加していました。

また、オフライン参加したPEでも PES@HOME 内で録画が残されているセッションを期間限定で振り返り視聴することができます。再度、視聴したいセッションがあるときでも視聴可能なのが嬉しいです。

 

PESと私

PEへの道

なぜ私が公式ヘルプコミュニティで回答しはじめ、ありがたいことにPEになりPESへ参加できたかというと、最初は Google アナリティクス の公式ヘルプフォーラム(現:公式ヘルプフォーラム)へ寄せられる質問に回答することからスタートしています。

現在の公式ヘルプコミュニティも同様ですが、質問を投稿したユーザーの質問に対して他ユーザーが回答したページは Google 検索経由など様々な経路から到達することが可能です。Google アナリティクス に関して疑問があり検索エンジンに検索したユーザーが公式ヘルプコミュニティ内のページを閲覧し、検索ユーザーがわからなかった Google アナリティクス の仕様や使い方を学ぶことができるのです。

その時、質問に対する回答が間違っていたらどうなってしまうでしょうか?

回答を閲覧した質問ユーザーのみならず、 Google 検索経由などの様々な経路で到達したユーザーが間違った回答から仕様や使い方を学んでしまい負のループに陥ってしまいかねません。 それは良いインターネットではないと思い、回答しはじめたのがきっかけです。

今だと機械学習が学習データとして参照する可能性もあるので、さらに間違った情報は減らしていきたいですね。

公式ヘルプコミュニティ内へ寄せられる質問に回答するのは、結果的に自身への学びへ繋がることになりました。 Google アナリティクス でも、 Google 検索セントラルにおいても回答を返信するときに間違ったことを書いてしまうのを可能な限り防ぐために、質問に関する Google 内のヘルプページをよく見返すようになりました。 インプットとアウトプットのループに加え、わからない方に伝わるような言葉で記載する言語化能力を養うことができたような気がします。

そのような活動を継続していく中で、結果的にPEの前身である Top Contributor (Google アナリティクス)になることができました。

オフライン開催のグローバルPESは初参加

今回、私は Google 検索セントラルのプラチナPEとして、初めてオフラインのグローバルPESに参加しました。

Google 検索セントラル | Google の公式 SEO 関連情報ポータル  |  Search Central  |  Google for Developers

developers.google.com

昨年オフラインにてインド開催されたPESの時、私は Google 検索セントラルのゴールドPEだったため、オンラインとなる PES@HOME での参加でした。過去のメールを遡ってみると、コロナ禍を中心に2021年、2022年、2023年、2024年と4年連続で PES@HOME の参加だったようです。

PESの前身となる Google Top Contributor Summitには、シンガポールで2017年にオフライン開催された際、 Google アナリティクス のゴールドPEとして参加していました。

しかし、その後 Google アナリティクス のエキスパートプログラム廃止により参加資格を失ったり、 Google 検索セントラル のゴールドPEになった時はPES参加資格がプラチナPE以上に引き上げられることで再びオフライン参加資格を失うという個人的な苦難の歴史でした……。

そのため、オフライン開催は2017年から8年ぶりの参加、地域別ではなくグローバルでのPESは初での参加でした!

やっぱりグローバルでのPESは良い

前回オフライン参加させていただいた際はAPACでのシンガポール開催ということもあり、 Google 広告や Google アナリティクス のPEは台湾の方がいたかなぐらいで、参加していたのはほぼ日本人のPE。代わりに、日本以外のAPAC各国から来た、他プロダクトのPEと交流する形でした。

それはそれで貴重な機会でした。APAC各国の人が情報を探すとき、どのプラットフォームをどう使うのか。そういった違いを知ることができたからです。ただ、参加PE数が少ないためか、Google 広告や Google アナリティクス のセッションは限定的でした。

一方、グローバルなPESだと各プロダクトのPEも多いですし、 Google 検索が情報を探す上で主要なプラットフォームである国も多いためか、 Google 検索セントラルのセッションも多く、かつ議論も活発に行われていた印象です。私は流暢に英語が話せるわけではないので、他国PEと積極的な情報交換ができるわけではないですが、セッション内で行われるQAなどで話題に参加することでき、どのようなポイントに関心が集まっているのか等を肌で感じることができたのは貴重な経験でした。

グローバルが良いとはいえ、夕食会場であるレストラン行きのバスで隣に座った他国PEに話しかけたら、ブラジルから来た Google アカウントのPEで渡航時間や渡航経路ぐらいしか話せませんでしたw

ダブリンの街や渡航時に感じたこと

備忘録的にイベント中のセッション拝聴時、ダブリンの街を歩いている時に加え、欠航により急遽トランジット回数が増えた渡航時などに感じたことをつらつらと書いておきます。

海外カンファレンスへの参加がコロナ禍以前から久しぶりなので、たぶん浦島太郎感もありますが、お読みください。

  • Mobile必須!
    • もはやライフライン。カード決済(国によって違うと思う)、地図、翻訳など外国の旅で必要なこと大抵できる。
    • サブ機持っていくと、電池切れ時の対応や端末を探すときに使えそう。
    • Uberとか使ってたらもっと便利だったかもしれない。日本でも慣れておかないと。
    • レンタルしたWi-Fi端末がモバイルバッテリーも兼ねてた。
  • Wi-Fi&電源が使えるところ増えた気がする!
    • 空港で広告を視聴するとWi-Fi使えて良い体験だった。
    • 電源使えるところ増えた気がするけど、渡航先の変換プラグ持ち歩いた方が、空港や飛行機内でも使えたりして捗る。
    • USB充電も増えた気がするけど、TypeAばかりでTypeCしか持ってないとツラい
  • 航空会社のアプリ便利!
    • 少し前はアプリ使いものにならなくてインストールすらしていなかった。
    • トランジットの飛行機が飛ばなくなっても搭乗券や渡航情報が自動更新されて楽だった。
    • アプリの使いやすさで航空会社を選ぶまでありそう。
  • 以前より使えた翻訳アプリ!
    • 渡航中でもセッション中でも活躍した。
    • クセのある英語だと翻訳間違いはまだある。
    • 本当に聞き間違えることができないシーンでありがたかった。
  • Googleレンズで色々わかるように!
    • 何か気になったときの画像検索が楽だった。

    • かこって検索で検索精度も上げられた。

    • 翻訳も楽だった。

  • Notion等でカンファレンスが楽に!
    • メモ帳にメモって、その日の夜に必死でまとめなおすことがなくなった。
    • 要約も作ってくれて、その日のうちに振り返ることができて、他参加者との会話のネタに使えた。
  • 時間がなくても生成AIで簡単に情報探索できる!
    • ダブリンはAIモードが正式ロールアウト前(最中?)で使えなくて地味に不便だった。
    • ChatGPTで情報を網羅的に短時間で集めることができてたすかった。検索の限界である検索クエリがわからないと検索できない問題を突破してた。
  • ライフスタイルが違うのかデバイスとの接触機会や時間が違いそう……?
    • ダブリンの方は歩きスマホをほぼ見なかった。日本の歩きスマホぐらい歩きタバコが多かった。
    • バス待ち中とかもスマホいじってる人あまり見なかった。
    • 〇〇で検索、とかQRとかもあまり見なかった(たまたまかもしれない)。
  • 観光地×別要素×Web
    • ダブリンは音楽に溢れていた気がする。大通りで少し歩くと路上ミュージシャンいたり、お店での演奏が多い印象を受けた。
    • 帰国後YouTubeチャンネル見つけて、掛け算が上手いなと感じた。
    • www.youtube.com

  • 日本のアニメやゲームはやっぱり人気!
    • 空港でマンガやフィギュアが売っていた。

    • 空港では他国のコミックはあまり見かけなかった(認知していないだけかもしれない)。
    • どこかで外国の方とアニメポーズのクイズを雑談ながらやっていたとき、NARUTOの多重影分身を正解してきてビックリしたってばよ。

    • パリのシャルル・ド・ゴール空港に無料のゲーセンあった。

  • マジで円安……
    • 何を食べても何を飲んでも高い。
    • 水が400円前後したけど、空港の出国手続き後でマイボトルに水を補充してる方がいて上手な旅だと思った。
    • 訪日客向けのビジネスがヒットするのも不思議じゃないと感じる。
  • やっぱり英語は話せた方が良い!
    • トラブル事は英語がちゃんと話せないとツラい。
    • イベント時も他国PEとコミュニケーションできた方が絶対に楽しい。

ダブリンは良いところ!

最後に、ダブリンは寒かったですが歩きやすい良い街でした。テーマパークの中にいるような、スパイファミリーのキャラが登場しそうな街へ Google に招待いただけてとても光栄でした。

キレイな街並みの写真を3枚どうぞ!