JADE 2.0: より OPEN な組織をめざして

f:id:knagayama:20220214110847p:plain

JADE ファウンダー & CSO の長山です。昨年から JADE は、自身のメジャーアップデートを目指して、「JADE 2.0」という取り組みをしてきました。その中で全社的に取り組んだことについて少しお話ししたいと思います。

JADE 2.0 の大きな柱は、「OPEN」「EFFICIENT」そして「GROWING」という、3つの形容詞です。よりオープンな、より効率的な、そして成長し続ける JADE を完成させること、それがこの取り組みの目的でした。それぞれの形容詞で OKR を立て、社内でも取り組みを可視化してきました。それが功を奏してきた、と言ってよい段階になったと思います。

今日は特に、「OPEN」関連のエフォートに絞って、何をやってきたかを少しご紹介します。

やったこと - OPEN

OPEN の目的は、「中にも外にも開かれた組織」です。内部では、働きやすい環境構築の一環として、オフィス増設、フリーアドレス制の導入、よりメンバー同士がお互いの知識やノウハウを共有しやすい仕組みと雰囲気づくりや、経営陣が考えていることの透明性の向上などに力を入れました。外部に向けては、Twitterやブログを利用して、より顔の見えるチームに向けた体制を整えました。

より働きやすい環境の構築

JADE では、原則として、好きな時に必要に応じてリモートワークできる体制を整えています。一方で、オフィスに来ることによって生産性が向上することも確かですから、魅力的なオフィスを作ることで、自然と人が集まる環境を目指しています。

フリーアドレス制の導入

それを達成するために、まずはフリーアドレス制を導入しました。元々席は固定だったのですが、全ての人が毎日来る前提のオフィスではなくなったため、どの机でも利用できるようにすることが自然でした。

導入する際に目標としたのは、以下のようなことです。

  • チームでの取り組みやすさの向上
    • そのときどきで、一緒に案件に関わっているメンバーに合わせて席を変えて取り組みやすいようにする
  • 個人個人が、様々な人からの知見やアイディアなどを得られるように
    • 業務中の会話を、案件に関わっていないメンバーも含め様々な人と交わすことで、幅広く発想や知識などに触れられるようにする

まずはテスト的に期間を限定して開始し、テスト期間終了後の満足度が高かったので、本採用となりました。各デスクにアルコール消毒液やウェットティッシュなども完備して、衛生面にも気をつけています。一つ課題としては、交流が多く生まれたことによって、「今は作業に集中して誰とも話したくない」というシグナルをどう出すか、という点があり、これについては今も試行錯誤中です。

新オフィス

人が増えてくるとともに、オフィス増設も必要となりました。

オフィスを増やす際は、元々の青山にこだわらず、以下のような点を考慮して、「どこに拠点を持つのが良いか」ということを考えました。その際に検討したことは、以下のようなことです。

  • アクセシビリティ。さまざまなところに住んでいるメンバーが、できるだけ等しくオフィスにアクセスしやすいこと。
  • ホスピタリティ。 来ることによって他の社員とのコミュニケーションが捗り、生産性が向上するような、「来たくなるオフィス」であること。
  • セキュリティ。物理的、及び情報的、どちらのセキュリティも確保できること。

もろもろ考えた結果、「千葉、茨城、埼玉、群馬など、東方から来やすい秋葉原」「多摩、神奈川など、西方から来やすい渋谷」の二拠点制度にすることにしました。半導体不足やウッドショックなどの影響で当初の想定よりも後ろ倒しになりましたが、徐々に秋葉原も物資が整いつつあり、渋谷側も無事物件が見つかり、契約スタートが近づいているところです。

会議体制などの見直し

最近日西さんの書いている「JADEの日常」でも取り上げられていますが、諸々の会議体制を整えました。特に、目的として、

  • より社員間での交流を深める
  • よりお互いの仕事を深く知る

というところにフォーカスしています。現在行っているのは、以下のような会です。

  • SEM Weekly → 週次チェックイン。後半は Deep Dive で、持ち回りで担当しながら30分ほど最近行った施策や仕事などを紹介する。
  • SEM Review → 週次レビュー会。一つから二つの案件に絞り、全体的な戦略とそれに関わる施策をレビューしていく。また、具体的にこういうことを考えたい、というテーマがある際は、ブレスト的に使われることもある。
  • Quarterly Kick-off → 3ヶ月ごとの、クオーターキックオフ。前QのOKRをレビューし、新入社員を紹介し、社長賞をアワードしたりする。
  • TGIF → 隔週のチームアナウンス+ソーシャルイベント。コロナの動向で開催が読めなかったりするが、開催されるとゆるく集まって飲む感じです。

透明性やフィードバック可能性の向上

社内での透明性や、経営陣に対するフィードバック可能性をより向上させることを目的にしたものです。

JADEGEIST

長山が在籍していた会社で行われていた全社アンケートに、 Googlegeist というものがあり、それをパク…参考にして作ったサーヴェイです。匿名のアンケートを通じて、以下のことを聞いていきます。

  • 現在のゴールの進捗計測
  • 経営陣に対する満足
  • 心理的安全性
  • 現在の仕事や給与に対する満足

まだまだ少人数の会社なので、場合によっては匿名にしていても誰が書いた回答なのか透けてしまう可能性があります。それを避けるため、自然記述部分は利用する文体を指定し、誰が書いたフィードバックなのかを分かりづらくしています。

このおかげで、さまざまな会社の取り組むべきところが明らかになりました。6ヶ月に一度回す予定です。

外部からの目線

JADE 2.0 キックオフ当初は、内部における OPEN に多くのリソースを使っていましたが、年が明けてからはより外に対する透明性を高めていこうというKRが増えてきました。それは、採用活動を通じてさまざまな方のご意見をいただく中で、「JADE がどういう形で仕事をしているのか、どういう文化なのか、それが見えてこないので怖いイメージがある」というフィードバックをいただくことが多かったからです。

それを意識して、会社ブログや会社Twitterの更新、あるいはメンバーの日常の公開など、もろもろのエフォートを行っています。他にも、新しいことを始める予定です。

結果 - OPEN

「結果として、JADE はよりオープンな組織になったのか?」というのは、計測するのが難しいところです。内部的には、完全な指標ではないですが、JADEGEIST で出てきた数字を一つの目安にしています。

特に重要視しているのは、「心理的安全性」に関連する数値と、「仕事」に関連する数値です。

心理的安全性

心理的安全性は、Google も紹介している、エイミー・エドモンソン氏の質問をベースにしたものを利用してアンケートを取っています。項目によって、「強くそう思う」ことがポジティブなものと、ネガティブなものが混在しているので、それを同一の指標にして、5に近づくほど良い、というふうにしたものが以下のグラフになります。

心理的安全性に関する質問の結果

心理的安全性に関する質問の結果

平均的には高い点数が出ていると思います。「チームに対してリスクのある行動をしても安全である」、「チームの他のメンバーに助けを求めることは難しい」、の項目に関しては、まだ改善の余地があるように見受けられます。そこで、これを高めていくためのアクションをいくつか選定し、次のOKRに組み込みました。

仕事と自分

仕事と自分に関しては、「現在の業務で、自分自身が成長できていると感じる」、「現在、自分がJADEでもらっている給与に満足している」、などの質問を行っています。一点だけ、「現在の業務で、強いストレスを感じている」のみ、低い方が良い数字になっています。

仕事と自分に関する質問の結果

仕事と自分に関する質問の結果

こちらも、全体としては平均的に悪くない数字が出ています。「現在の業務は、JADE全体のミッションにマッチしていると感じる」、「現在の業務で、他のチームメンバーとコミュニケーションが取れていると感じる」などには改善の余地があると考え、これらもアクションとして次のOKRに組み込まれています。

これから

人が増えていけば、それだけミスコミュニケーションや、コミュニケーション不足が発生する確率が増えていきます。また、経営陣や、リーダー層が誤った判断をすることもあるでしょう。ですから、これらの数字が、このまま上がり続けるとは思っていませんし、数値に関する目標を立てるようなことはしていません。ただ、新しい人が増え、環境が変わっていく中で、こういったサーヴェイを通じてできるだけ早期に組織における新たな課題点を発見し、それに対するアクションを作っていくことが重要だと考えています。

「EFFICIENT」、「GROWING」に関しても、もう少し書きたいと思います。